容積率
ようせきりつ
容積率とは、住宅の敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合のことです。
容積率とは、
敷地に対する
延べ床面積の割合で、その上限が
都市計画における
用途地域によって制限されています。また、
敷地の前面道路の幅員によっても、容積率は制限されます。このどちらか厳しいほうによって、建物の容積率は制限され、建てられる高さが規制されます。
容積率の制限とは、例えば、容積率が200%で
敷地面積が100m
2の場合、
延べ床面積200m
2までの建物が建てられます。
延べ床面積は各階の床面積の合計ですが、一定条件の
地下室や車庫は算入されません。
角地などで前面道路が2つある場合は、広い方の道路の幅員を適用します。また、
敷地が容積率の異なる地域にまたがる場合は、それぞれの地域ごとの
延べ床面積を合計したものとなります。
都市計画
都市計画とは、都市の健全な発展と自然環境の調和などにより、健康で文化的な都市空間を整備するための総合的な街づくりの計画です。都市計画法の規定による法的な規制力があり、秩序ある整備を図るための土地利用や都市施設の整備、市街地開発事業などが定められます。
都市計画を定める場所を都市計画区域と呼び、一定の開発行為を行う場合には都道府県知事の許可が必要となるなど、規制がかかります。
都市計画には、市街化区域と市街化調整区域の区分、地域地区、促進区域、遊休土地転換利用促進地区、被災市街地復興促進地域、都市施設、市街地開発事業、都市計画区域のマスタープラン、都市再開発方針等、市街地開発事業等予定区域、地区計画等があります。
延べ床面積
延べ床面積とは、建物の各階の床面積の合計のことです。延べ床面積は容積率を超えて建てることはできません。
床面積の算定は、柱または外壁の中心線を基準とします。ただし、ピロティ、ポーチなどで壁や扉、柱などがなく、屋内的な用途で使用されない場合は、床面積に算入されません。吹きさらしの廊下、バルコニーは先端から2mまでの部分、一定条件の出窓なども算入されません。また、ロフトや小屋裏は、設置される階の床面積の2分の1未満で天井高が1.4m以下、地下室は全床面積の3分の1未満、ビルトインガレージは全床面積の5分の1未満であれば、床面積に算入されません。このような空間は、限られた敷地内で容積率の範囲の中で、収納や作業スペースとして有効活用することもできます。
用途地域
用途地域とは、地域における建物の用途に一定の制限が設けられたものです。市街化地域の計画的な利用によって環境保全を図るために、都市計画法で指定されています。その土地にどんな建物が建てられるのかという最も重要な地域地区の情報で、周辺環境を知る上でも重要な目安となります。
用途地域は12種類あります。そこでは建築基準法などによって、建築できる建物の種類、建ぺい率、容積率、斜線制限、高さの限度、日影制限、外壁の後退、敷地の最低規模などが定められています。
各用途地域には、「第1種低層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」「第2種中高層住居専用地域」「第1種住居地域」「第2種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」があります。
2つ以上の用途地域にまたがるときは、敷地の過半が属する用途地域の規制を受けます。建物にも周辺環境にも大きな影響があるので、対象物件がどの用途地域に属し、どんな規制があるのか、確認することが大切です。
敷地
敷地とは、建物が立っているか、これから建物を建てる土地のことです。敷地面積は、その土地の面積のことで、水平投影面積をいいます。水平投影面積とは、土地や建物を真上から見たときの面積で、傾斜や凹凸があっても、水平として測定した面積になります。
敷地面積には、登記簿に記載された登記簿面積(地積)と実測面積が異なっている場合があります。そのため、土地の売買契約などにおいては、土地家屋調査士などの専門家による実測をしてからというのが鉄則です。
なお、住宅を建てるために土地を購入するときには、接道条件などによっては、土地面積の一部が敷地面積に算入できないので、注意が必要です。また、敷地面積だけでなく、建物の配置や駐車場のスペースなども考慮しましょう。
地下室
地下室とは、地階に設けた居室をいいます。建築基準法では、床面から天井までの高さの3分の1以上が地盤面より下にあるものを地下室と呼んでいます。また、地下室の天井が地盤面から1m以下にある場合には、容積率の緩和措置があります。地下室の面積が建物全体の延べ床面積の3分の1以下の場合には、地下室の面積は延べ床面積に算入されません。
ただし、地下室は採光や防湿に十分な対策をとる必要があります。地下は年間の温度変化が少なく、断熱性や遮音性に優れますが、一方で、採光や換気、防湿、排水などが課題です。建築基準法では、採光のために一定基準以上のドライエリア(空堀)を設けることのほか、換気設備や温度調整設備の設置、耐水対策などを定めています。
地下室は限られた敷地を有効に利用できることで注目されていますが、高度な建築技術が必要で、建築費用も高くなります。
角地
角地とは、交差する道路の角にある敷地で、2つの道路に接道しているものです。
角地には、「南東角地」「南西角地」「北東角地」「北西角地」などがあり、道路に接する方向によってメリットや地価は異なります。一般に、角地は地価が高く、特に「南東角地」など日当たりも良好な場合には、隣接する他の土地と比較してかなり高めの土地価格となります。
角地のメリットは、日当たりが期待できること(方角や周辺環境によって異なります)、通風が良いこと、車の出し入れがしやすいこと、開放感があること、売却がしやすいこと、などが挙げられます。また、道路から目に入りやすいので、盗難に遭いにくいともいわれます。
角地の場合、「特定行政庁の定める角地」に該当すると、都市計画法で定めた建ぺい率に10%プラスできる緩和が可能です。ただし、都道府県や市区町村によって「角地」と定められている土地なので、確認が必要です。
デメリットとしては、交通量によっては騒音などが気になる場合や、玄関が道路に直接面していると、子どもが道路に飛び出す危険性などが考えられます。