採光
さいこう
採光とは、自然の光を室内に取り入れることです。
採光とは、自然の光を
窓などから室内に取り入れることをいいます。
建築基準法では、住宅の居室について、居室の床面積の1/7以上の採光に有効な
開口部の面積が必要と規定されています。ただし、「採光」とは直射日光のことではないので、北側の
窓が「採光に有効な
窓」となる場合もあります。有効な採光面積は、
用途地域や部屋の大きさ、
窓の大きさによって決定されます。ただし、納戸やトイレ、
浴室、洗面室などは対象となりません。
隣家が迫っている住宅密集地などでは、採光を確保するために、天
窓や
ライトコートを設けるなど、さまざまな工夫が見られます。また、日当たりを調節するには、カーテンや
ブラインド、反射ガラスなどを利用します。
建築基準法
建築基準法とは、建物を建てるときの基本的な法律です。建築物の敷地・構造・設備・用途の最低基準を示し、用途地域や日影規制などエリアによって守るべき事項などが定められています。建物の利用者や近隣住民の生命・健康・財産を守ることを目的に、1950年に施行されました。基準の具体的な技術水準などは、建築基準施行令や施行規則などで詳細が規定されています。また、基準が実効性をもつように、着工前の建築確認や工事中の中間検査、完了検査、違法建築物の是正措置なども定められています。
建築基準法はこれまでに何度も改定を重ねています。1981年には現在の耐震基準が導入、2003年にはシックハウス対策の規定導入、2007年には耐震偽装事件を受けて建築確認審査の厳格化が図られました。中古マンションを選ぶ際には、いつ建てられたかによって基準が異なるため、築年は大まかな安全性を見るときの一つの目安にもなります。
ブラインド
ブラインドとは、窓に取り付ける日よけや目隠しのことです。細い帯状のスラット(羽根板)を並べたもので、スラットを回転させることで光の量を調整できます。
ブラインドの素材には、アルミや布、木製などがあります。以前はオフィスなどを中心にアルミ製が多用されていましたが、最近ではナチュラルテイストの木製ブラインドを取り付ける住宅も増えています。
ブラインドには、横型の「ベネチアンブラインド」と縦型の「バーチカルブラインド」があります。操作方法は、コードを引っ張るコード式、羽根の回転を操作棒で行うポール式などがあり、高窓などには電動式を採用する例もあります。
従来は窓にはカーテンを取り付けるのが一般的でしたが、ブラインドのラインナップが増えるなかで、窓を選出する選択肢が広がっています。
用途地域
用途地域とは、地域における建物の用途に一定の制限が設けられたものです。市街化地域の計画的な利用によって環境保全を図るために、都市計画法で指定されています。その土地にどんな建物が建てられるのかという最も重要な地域地区の情報で、周辺環境を知る上でも重要な目安となります。
用途地域は12種類あります。そこでは建築基準法などによって、建築できる建物の種類、建ぺい率、容積率、斜線制限、高さの限度、日影制限、外壁の後退、敷地の最低規模などが定められています。
各用途地域には、「第1種低層住居専用地域」「第2種低層住居専用地域」「第1種中高層住居専用地域」「第2種中高層住居専用地域」「第1種住居地域」「第2種住居地域」「準住居地域」「近隣商業地域」「商業地域」「準工業地域」「工業地域」「工業専用地域」があります。
2つ以上の用途地域にまたがるときは、敷地の過半が属する用途地域の規制を受けます。建物にも周辺環境にも大きな影響があるので、対象物件がどの用途地域に属し、どんな規制があるのか、確認することが大切です。
浴室
浴室とは風呂場のことです。日本では、浴槽と洗い場があるのが一般的です。
浴室には在来工法とユニットバスがあります。在来工法では広さや素材などを自由に選べる利点がありますが、費用は高めです。最近は工場生産されたユニットバスが主流で、広さやデザイン、品質も豊富です。間取図には数値が表示されていることがありますが、「1618」であれば浴室の内側のサイズが1,600mm×1,800mmとりなります。
浴室を考えるときには、浴槽の広さと体を洗うスペースのバランスが大切です。子どもと一緒に入ったり、介護が必要であれば、洗い場を広めにとるのがいいでしょう。
また、浴室は湿気のこもりやすい場所なので、換気や掃除のしやすさも重要です。一戸建ての場合に、従来は浴室を1階に設けるのが一般的でしたが、最近では2階に設けるケースも増えています。
窓
窓は、採光、通風、換気、眺望などのために設けられる開口部です。風通しや断熱性など、窓の機能は四季を通じた室内の快適性に大きく影響します。また、外観デザインや室内空間、窓からの眺望など、ビジュアル面でも窓の役割は重要な要素となっています。
窓の種類は、取り付けられる位置により、次のような分類があります。
・掃き出し窓・・・・・窓枠の底辺が床面近くまである窓。リビングなどに設けられる大型の窓をいいます。
・腰高窓・・・・・窓枠の底辺が腰ほどの高さにある窓。
・出窓・・・・・建物の外に張り出す形で設置する窓。
・天窓・・・・・天井に設置する窓。トップライトともいいます。
また、開閉方法による分類では、次のようなものがあります。
・引き違い窓・・・・・横に引いて開け閉めする窓で、日本では最も一般的な窓です。
・はめ殺し窓・・・・・開閉できない窓です。フィックス窓ともいわれ、採光のために設けます。
・外開き窓・・・・・外に向かって開く窓で、片開きと両開きがあります。
・内倒し窓・・・・・室内に向けて倒れるように開く窓です。
そのほか、「回転窓」「滑り出し窓」「上げ下げ窓」「ルーバー窓」など、多彩な種類があります。
また、サッシやガラスの素材も豊富で、それぞれに性能や特徴があります。
開口部
開口部とは、建物の壁などに設けられた窓や出入口など屋外や室外に向かって開かれた部分です。リビングや居室の窓、天窓、玄関や室内ドアなどをいいます。
開口部は、採光、換気、通風、眺望、通行などの役割があります。床面積に対して一定以上の開口部がなければ、居室と呼べません。
開口部の位置や広さは、建築物の躯体強度に影響するほか、通風や採光などの居住空間の快適性や断熱性なども左右します。また、リビングに大きな窓を設けて眺望を楽しんだり、隣家との距離や視線を考慮して開口部の位置や高さを工夫するなど、室内からの視界、外部からの視線なども考慮することが大切です。
また、出入口として使用する開口部は、開閉に必要なスペースや開閉時の安全性なども考慮されます。
ライトコート
ライトコートとは、採光のために建物の内部に設けられる中庭です。外からの光を取り入れにくい場所に、吹抜けスペースとして設け、ライトコートに面した四方に採光や通風を確保できます。
ライトコートは、住宅密集地で隣家が迫っている立地条件などで、採光を得るために採用されることがあります。また、建物の中心部分などに設けられるので、外からの視線を気にする必要がありません。バスルームの隣に設けて、露天風呂気分を味わうこともできます。
マンションなどでは、中住戸にライトコートを設けて、採光と通風を確保するものもあります。