坪庭
つぼにわ
坪庭とは、建物の中や敷地の一部にある小さい庭です。
坪庭とは、塀や建物で囲まれた小さい空間に設えた庭をいいます。植栽を取り入れて四季の移ろいを楽しむものであると同時に、通風や
採光などでも重要な役割を果たします。
坪庭は、玄関脇や中庭など、建物や垣根などで囲まれ町家で発展してきました。
間口が狭く奥行きの深い京の町家では、鑑賞用としての庭であるだけでなく、通風や
採光のためにも坪庭が必要だったのです。
最近では、自由な発想で、古木、レンガ、ファニチャーなどを配置する個性的な坪庭もあります。特に都心の住宅密集地では、プライバシーを確保するために隣家との間に壁や目隠しが必要ですが、その内側などに坪庭をつくることで、開放感が生まれます。
狭小住宅などで通風・
採光を確保する方法としても、坪庭が見直されています。また、技術の進歩により、2階や
バルコニー、屋上などに庭をつくることも可能になっています。広くない
敷地であっても、庭を楽しめるのが坪庭で、京の町家から現在にその思想は継承されているといえます。
狭小住宅
狭小住宅とは、15坪前後の狭い敷地に建てる住宅をいいます。都市など住宅密集地で、狭くてもその土地に暮らしたいといったニーズがあります。最近では、狭小住宅向けの商品を出しているハウスメーカーや狭小住宅を専門的に取り扱うメーカーもあります。
狭小住宅は、敷地面積が狭いことに加え、隣家が迫っている、変形地であるなど、さまざまな制約があります。これに対し、3階建てとする、地下室をつくる、スキップフロアにする、パティオを設けて採光を確保する、トップライトから陽光を階下まで届ける、リビングイン階段で開放感をもたせるなど、多彩な工夫が施されます。狭さを楽しむかのようなデザインもあり、注目を集めています。
バルコニー
バルコニーとは、マンションなどの屋外に張り出した床のことです。
室内空間の延長として、掃き出し窓などの先に設けられ、屋根や天井はなく、手すりが付いています。上階のバルコニーが屋根の代わりになります。バルコニーは広さや用途によって、アウトドアリビングとして活用できる「リビングバルコニー」や、コンパクトで室外機置場やゴミ置場などに利用される「サービスバルコニー」などがあります。また、階下の屋根を利用した広い「ルーフバルコニー」もあります。
分譲マンションの場合、バルコニーは共用部分に属します。居住者だけが使用できる専用使用権はありますが、改造したり、物置などの固定物を設置することはできません。バルコニーは消防法で、緊急時の避難通路とされています。そのため、避難時の障害にならないように管理規約等にはバルコニーの使用制限が定められています。
採光
採光とは、自然の光を窓などから室内に取り入れることをいいます。建築基準法では、住宅の居室について、居室の床面積の1/7以上の採光に有効な開口部の面積が必要と規定されています。ただし、「採光」とは直射日光のことではないので、北側の窓が「採光に有効な窓」となる場合もあります。有効な採光面積は、用途地域や部屋の大きさ、窓の大きさによって決定されます。ただし、納戸やトイレ、浴室、洗面室などは対象となりません。
隣家が迫っている住宅密集地などでは、採光を確保するために、天窓やライトコートを設けるなど、さまざまな工夫が見られます。また、日当たりを調節するには、カーテンやブラインド、反射ガラスなどを利用します。
敷地
敷地とは、建物が立っているか、これから建物を建てる土地のことです。敷地面積は、その土地の面積のことで、水平投影面積をいいます。水平投影面積とは、土地や建物を真上から見たときの面積で、傾斜や凹凸があっても、水平として測定した面積になります。
敷地面積には、登記簿に記載された登記簿面積(地積)と実測面積が異なっている場合があります。そのため、土地の売買契約などにおいては、土地家屋調査士などの専門家による実測をしてからというのが鉄則です。
なお、住宅を建てるために土地を購入するときには、接道条件などによっては、土地面積の一部が敷地面積に算入できないので、注意が必要です。また、敷地面積だけでなく、建物の配置や駐車場のスペースなども考慮しましょう。
間口
間口とは、敷地や建物を正面から見た幅のことをいいます。これに対して、敷地や建物の長さを「奥行き」といいます。間口は、一戸建ての場合には、道路に面した側をいい、マンションなどの場合には、リビングやバルコニーのある側を指します。
間口が広いと、通風や採光を確保しやすいため、同じ面積では間口が狭くて奥行きが長いものより割高となるのが一般的です。ただし、間口が広ければいいというものではなく、奥行きとのバランスが重要です。間口が広いと、外からの視線を遮ることも考慮する必要があります。
黄金比といわれる1:1.618(およそ5:8)や1:1.5などはバランスがよく、使い勝手がよい配置がつくりやすいといわれています。