地耐力
ちたいりょく
地耐力とは、地盤が重みに耐えられる強さのことです。
地耐力とは、地盤が建築物などの重みにどの程度耐えられるか、また、地盤沈下に対してどの程度抵抗力があるかを示す指標です。単位面積あたりの荷重で表現し、t/m
2や、kN/m
2の単位で表わします。
地耐力は、地質調査の結果から得られた支持力(何t/m
2の荷重まで地盤が破壊しないか)と、地盤沈下が予想される地盤に対しては、何t/m
2までなら許容沈下量に収まるかの2つの要素を測定し、低い方の数値を地耐力として採用します。これを長期許容地耐力と呼びます。
長期許容地耐力は、地質や建築物の重さや
基礎のつくりかた、地下水位などによって変わってきます。そのため、地耐力に応じた地質改良や
基礎構造が必要です。
基礎
基礎とは、建物の最下部にあり、上物の荷重を地盤に伝える構造です。建物を安全に支えるために、極めて重要なものです。
基礎の種類には、布基礎(連続フーチング基礎)、ベタ基礎、杭基礎などがあります。布基礎は壁面に沿ってコンクリート構造が連続する形状の基礎です。「布」とは、水平の意味があり、「フーチング」とは断面が逆T字型の底が広がった基礎底盤で、布基礎では床下の地面は土のままとなります。これに対してベタ基礎は、建物の底全体を鉄筋入りのコンクリートで固める構造です。かつては、木造在来工法では布基礎が、2X4工法やプレハブ工法ではベタ基礎が一般的でしたが、最近では在来工法でもベタ基礎を採用する例が多いようです。
寺社や古民家など、日本の伝統的な建築物は、1本ずつの柱単独に設けられる独立基礎(独立フーチング基礎)が用いられてきました。固い支持基盤まで杭を打ち込む杭基礎などの方法も取られます。