耐力壁
たいりょくへき
耐力壁とは、建物を支える構造上の役割を有する壁のことです。
耐力壁とは、建物自身の重さや積雪などによる上からの荷重(鉛直力)と、地震や台風などによる横からの力(水平力)に対抗して、建物を支えるための壁のことです。このような外力に対して建物が安全な構造となるように、
筋交いを入れたり、構造用合板を張った壁を耐力壁といいます。
必要な耐力壁の量(必要壁量)は、建物が重くなるほど、床面積が広くなるほど大きくなります。また、形状によっても必要壁量は異なり、細長い建物などでは必要壁量も多くなります。耐力壁の強度を壁倍率といい、壁倍率を増やすことで耐震性を高めることができます。加えて、ねじれなどの力に対抗するには、耐力壁の全体バランスも重要です。
なお、構造上の役割がなく、空間を仕切るだけの壁を
間仕切り壁といい、
リフォームなどで取り外すことが可能ですが、耐力壁は撤去できません。
リフォーム
リフォームとは、住宅を改築や増築することです。壁紙の張り替えなど室内の雰囲気を変える小規模なものから、トイレ、浴室、キッチンなどの設備を丸ごと取り換えたり、壁を取り払って間取り変更をするなど、大がかりなものまで幅広くあります。また、リフォームの目的も、耐震補強や高齢化に対応したバリアフリー化から、ライフスタイルに合わせた快適さを追求するものまで、さまざまです。
リフォーム費用は、既存建物の状態、リフォームの範囲や規模、採用する設備のグレードなどで大きく違ってきます。築年数が古いほどリフォーム目的も多様になり、高額化する傾向にあります。リフォームの市場が拡大するにつれ、消費者の不安を解消するために「リフォーム瑕疵(かし)保険」を利用したり、アフターサービスや保証期間を設けるなど、サービスの充実も見られます。
筋交い
筋交いとは、建物の構造を補強するために、柱と柱の間に斜めに入れる部材のことです。木造軸組工法などで、耐震性や耐風性を強めるために用いられます。
木造軸組工法や鉄骨構造のように、柱と梁を基本として建物を支える構造では、柱と梁で形づくる長方形によって点と線で建物を支えます。しかし、この長方形の接合部分に強度が十分でなければ、地震や強風などによって横からの力(水平力)受けたときに、長方形がひし形に変形してしまいます。そこで長方形の対角線に筋交いを入れて、水平力に対抗して変形を防止します。鉄骨造では「ブレース」と呼びます。
筋交いは、圧縮する力と引っ張る力に耐える役割があります。長方形に対して斜めに1本だけ筋交いを入れる場合を「シングル」、2本交差させるものを「ダブル」または「たすきがけ」と呼びますが、「たすきがけ」のほうが強度はあります。ただし、柱や梁に十分な太さと強度がある場合や、2X4工法などで壁面全体で支える場合には、筋交いは不要になります。また、筋交いによる補強は、柱や梁と強固に固定されていることが重要です。
間仕切り
間仕切りとは、建物の内部を区切るものです。壁などのほか、カーテンや襖(ふすま)、家具などを活用するものもあります。間仕切りには固定式のものと可動式のもの、開閉式のパーテーションなどがあります。
最近では、家族構成や年齢による変化に合わせて、間取りをフレキシブルに変更できる間仕切りが注目されています。子ども部屋なども、例えば2人の子どもに各1部屋を作るのではなく、成長に応じて間仕切りを設けたり、子どもが独立した後はオープンな空間にするなどの方法もあります。可動式家具で仕切る場合もあれば、レールのない引き戸などで間取り変更することも可能です。