特定街区
とくていがいく
特定街区とは、街区単位で都市計画を指定する制度です。
特定
街区とは、
都市計画法の「
地域地区」の一つで、個々の
敷地単位ではなく、
街区(ブロック)単位で
都市計画を定める制度です。都市機能を高めたり、良好な環境や建築物を誘導し、優れた都市空間を形成するため、
街区単位の
都市計画に対して個々に承認されます。
特定
街区では、
容積率の最高限度、高さの最高限度、壁面の位置の制限が指定され、一般の
都市計画法や
建築基準法の制限は適用されません。有効な空地を確保することで、
容積率の割り増しも受けられます。個々の
敷地単位の規制ではなく、
街区全体でデザインされたプロジェクトとして実施されるのが特徴です。
また、複数の
街区を一体的に計画する場合には、
街区間で容積移転することもできます。例えば、歴史的町並みの保全と超高層ビル群を調和させた都市空間といった
都市計画が可能となります。
特定
街区の活用例には、東京の新宿副都心の高層ビル群や池袋サンシャイン60、貿易センタービルなどがあります。
建築基準法
建築基準法とは、建物を建てるときの基本的な法律です。建築物の敷地・構造・設備・用途の最低基準を示し、用途地域や日影規制などエリアによって守るべき事項などが定められています。建物の利用者や近隣住民の生命・健康・財産を守ることを目的に、1950年に施行されました。基準の具体的な技術水準などは、建築基準施行令や施行規則などで詳細が規定されています。また、基準が実効性をもつように、着工前の建築確認や工事中の中間検査、完了検査、違法建築物の是正措置なども定められています。
建築基準法はこれまでに何度も改定を重ねています。1981年には現在の耐震基準が導入、2003年にはシックハウス対策の規定導入、2007年には耐震偽装事件を受けて建築確認審査の厳格化が図られました。中古マンションを選ぶ際には、いつ建てられたかによって基準が異なるため、築年は大まかな安全性を見るときの一つの目安にもなります。
地域地区
地域地区とは、住宅地、工業地、商業地など、土地利用の全体像について定めたものです。市街化区域および市街化調整区域ともに、次のような地域、地区、または街区があります。
土地利用のあり方の基本となる「用途地域」、用途地域が定められていない土地の用途の概要を定める「特定用途制限地域」、高層住宅の建設を誘導する「高層住居誘導地区」、建築物の高さの最高限度または最低限度を定めた「高度地区」、市街地再開発事業の対象となる「高度利用地区」、「都市再生特別地区」、火災の危険を防ぐために建物の構造などを規制する「防火地域」「準防火地域」、景観を保護する「景観地区」、都市の風致を維持するための「風致地区」、古都を保存するための「歴史的風土特別保存地区」、都市の緑地を保存する「緑地保全地域/特別緑地保全地区」「緑化地域」、「生産緑地地区」文化財を保護するための「伝統的建造物群保存地区」などがあります。
都市計画
都市計画とは、都市の健全な発展と自然環境の調和などにより、健康で文化的な都市空間を整備するための総合的な街づくりの計画です。都市計画法の規定による法的な規制力があり、秩序ある整備を図るための土地利用や都市施設の整備、市街地開発事業などが定められます。
都市計画を定める場所を都市計画区域と呼び、一定の開発行為を行う場合には都道府県知事の許可が必要となるなど、規制がかかります。
都市計画には、市街化区域と市街化調整区域の区分、地域地区、促進区域、遊休土地転換利用促進地区、被災市街地復興促進地域、都市施設、市街地開発事業、都市計画区域のマスタープラン、都市再開発方針等、市街地開発事業等予定区域、地区計画等があります。
容積率
容積率とは、敷地に対する延べ床面積の割合で、その上限が都市計画における用途地域によって制限されています。また、敷地の前面道路の幅員によっても、容積率は制限されます。このどちらか厳しいほうによって、建物の容積率は制限され、建てられる高さが規制されます。
容積率の制限とは、例えば、容積率が200%で敷地面積が100m2の場合、延べ床面積200m2までの建物が建てられます。延べ床面積は各階の床面積の合計ですが、一定条件の地下室や車庫は算入されません。
角地などで前面道路が2つある場合は、広い方の道路の幅員を適用します。また、敷地が容積率の異なる地域にまたがる場合は、それぞれの地域ごとの延べ床面積を合計したものとなります。
敷地
敷地とは、建物が立っているか、これから建物を建てる土地のことです。敷地面積は、その土地の面積のことで、水平投影面積をいいます。水平投影面積とは、土地や建物を真上から見たときの面積で、傾斜や凹凸があっても、水平として測定した面積になります。
敷地面積には、登記簿に記載された登記簿面積(地積)と実測面積が異なっている場合があります。そのため、土地の売買契約などにおいては、土地家屋調査士などの専門家による実測をしてからというのが鉄則です。
なお、住宅を建てるために土地を購入するときには、接道条件などによっては、土地面積の一部が敷地面積に算入できないので、注意が必要です。また、敷地面積だけでなく、建物の配置や駐車場のスペースなども考慮しましょう。
街区
街区とは、市街地において、道路などで囲まれた一区画をいいます。ブロックともいい、住居表示でいうと、○丁目○番地○号における○番地一帯を指します。
区切りとなるのは、街路のほか、鉄道や河川、水路などで、一般的には1辺が数十mから100~200mほどの距離で囲まれた広さとなります。
街づくりで景観や落ち着きを確保するために、街区ごとの統一感や特徴が重視されます。地区計画や再開発などの街づくりは、街区をひとまとまりの最小単位としてプランニングします。