等価交換
とうかこうかん
等価交換とは、土地所有者が土地を提供し、開発業者が建築した物件の区分所有権と土地を等価交換することです。
等価交換とは、土地所有者や
借地権の所有者が土地を提供し、
デベロッパーなどの開発業者が共同事業者としてそこにマンションなどを建設して、それぞれ提供した土地に対してマンションの
区分所有権と等価で交換するものです。等価交換方式によると、土地所有者は現物出資のみで事業資金を準備する必要がありません。居住用あるいは賃貸マンションとすることで、
固定資産税や
相続税などの税負担が軽減できる利点もあります。また、
デベロッパーにとっては、土地取得の費用を軽減できます。
等価交換によるマンション建設は、比較的小規模な物件によく見られます。注意点としては、土地所有者にとっては、資産が共同所有になること、途中での事業転換が困難になること、などがあります。
等価交換によって建てられたマンションを購入する際に注意したいのは、部屋数が少なく、元の土地所有者が多くの
区分所有権を有する場合に、
管理組合などの運営が不公平になる可能性があることです。また、分譲部分と賃貸部分が混在した場合には、清掃や管理などが不十分だと住環境や資産価値が低下することもあります。
等価交換によるマンションの建設は、完成後の運営面にも配慮が必要です。
固定資産税
固定資産税とは、固定資産に課税される税金です。土地・家屋などの固定資産を所有する人に対して、市区町村(東京23区の場合は都)が課税します。
固定資産税は、毎年1月1日時点に登記簿に登録されている土地・家屋の所有者に納付通知書が送付されてくるので、一括納付または年4回に分けて納付します。1月1日時点の所有者に納税義務があるので、1年以内に売却したり家屋を取り壊した場合にも、1年分が課税されます。
固定資産税は、固定資産税課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)に税率をかけて計算されます。標準税率は大半が1.4%ですが、一定要件を満たす土地・家屋には軽減措置があります。また、評価額が30万円に満たない土地・20万円に満たない家屋には、固定資産税はかかりません。
なお、土地が借地権の場合には固定資産税の負担義務はありません。その代わりに地主に地代を支払うことになります。
また、中古住宅を購入したときには、1月1日時点で所有権の移転登記が完了していなければ、その年の固定資産税は全額売主が支払います。そのため、引き渡し時に按分した額を買主が支払う場合もあります。
借地権
借地権とは、土地の所有者から、建物を所有することを目的として土地を借りて使用する権利のことです。賃借権と地上権のことをさします。借地権には、普通借地権、定期借地権、事業用定期借地権、建物譲渡特約付借地権、一時使用目的の借地権があります。また、借地権は賃借権か地上権かによって、売買に地主の承諾が必要かどうかなど、権利の質が異なります。
1992年施行の新借地借家法によって、借地権を持つ人が地上の建物について登記を行っていれば、土地の所有者が交替した場合などにも借地権を主張できるようになりました。また、譲渡・転貸の際の地主の承諾の代わる裁判所の許可なども認められています。
なお、普通借地権では、基本的に契約更新が可能です。
相続税
相続とは、親子や親族から遺産を受け継ぐことです。相続税とは、その取得した遺産にかかる税金です。
相続する財産には、現金や有価証券、不動産、著作権、生命保険金、債務などがあります。相続はこれらの権利と義務の一切を引き継ぎます。
相続税は次のように算出されます。
1.相続した財産すべてを金銭に換算して課税価格を算出。
(遺産総額から債務や葬式費用、非課税財産を差し引く)
2.正味の遺産額を算出。
(相続開始前3年以内の贈与財産を加算)
3.課税遺産総額の算出。
(正味の遺産額から基礎控除額を差し引く。基礎控除額=5000万円+1000万円X法定相続人の数)
4.課税遺産総額を法定相続分に従って分けて各相続人の税額を出し、この税額を合計する。
5.この総額を、各相続人が実際に相続した遺産額の割合に応じて按分し、各人の相続税額を算出。
なお、小規模宅地については、評価の際に一定割合が減額されます。不動産を所有している人にとっては、相続税対策も重要な課題となります。
デベロッパー
デベロッパーとは、開発事業者(Developer)のことです。大規模な都市開発や土地の造成、住宅地の造成、リゾート開発、市街地や商業地の再開発、オフィスビルや分譲マンションの建設、交通網の整備など、その事業は多岐に渡ります。
不動産開発において、デベロッパーは企画・開発の事業主体となります。土地特性や市場調査に基づいてコンセプトを練り上げ、プロジェクトを立ち上げます。そのプロジェクトを成功に導くために、設計・施工・デザインなどをトータルにマネジメントします。また、周辺環境との調和や街づくりへのコンセンサス形成なども必要となります。
不動産デベロッパーには、規模の大きな不動産会社、電力会社系、商社系、ゼネコン系、独立系などがあります。デベロッパーはプロジェクトの事業主体となるため、高度な総合プロデュース力が要求されます。
管理組合
管理組合とは、マンションの区分所有者全員で構成される団体で、建物や敷地、付属物などの管理を行うためのものです。マンションを購入すると、区分所有者は必ず管理組合に加入しなければなりません。管理組合は、マンションの管理運営に関する最高決定機関として位置付けられています。
管理組合は、マンションの共用部分の維持管理や管理規約の制定や変更などを行います。実際の管理業務を管理会社に委託する場合には、管理組合が管理会社と契約します。
区分所有者は管理組合に管理費及び修繕積立金を払い、総会においては1区分につき1人分の議決権を有します。管理組合は理事、理事長、副理事長、監事を選出し、最低でも年1回の総会を開催し、懸案事項の決議や組合運営の収支決算、予算の報告、事業計画などを決議します。
管理組合は、長期にわたって、建物と住環境を良好に維持するための重要な役割を担います。資産価値を維持する上でも、地域コミュニティの形成や心地よい日常生活の上でも、管理組合の果たす役割は大きいといわれています。
区分所有権
区分所有権とは、マンションやオフィスビルなどで、1棟の建物の中に独立した複数の住居や店舗、事務所などがあるものについて、その独立した部分を所有する権利のことです。
独立した各部分は「専有部分」と呼ばれ、購入者が自由に使用し、また、売却や譲渡もできます。これに対して、エントランスやエレベーター、共用廊下など、建物内の専有部分以外を「共用部分」と呼びます。共用部分については、専有部分の床面積(専有面積)の割合(持ち分)に応じて、所有権を共有します。同様に、敷地についても、持分に応じて、所有権を共有します。
マンションでは、専有部分の区分所有権と共用部分の共有持分、敷地の共有持分の3つの権利を有することになります。区分所有権を売却すると、共有持分も一緒に売却することになります。