床の間
とこのま
床の間とは、和室に設けられる日本の伝統的な設えです。
床の間とは、和室の設えで床より一段高くなった座敷飾りです。
床の間には、壁に掛け軸や絵画をかけ、その下に香炉や花瓶、生け花などを飾ります。床の間は、床
柱(とこばしら)、床框(とこがまち)、落し掛け、床板・床
畳などで構成されます。
床の間は格式や構えによって、「真」「行」「草」に大別されます。書道の楷書・行書・草書に似た流れで、「真」は格調高い角
柱を用いた書院造りの本床(ほんどこ)です。「真」の床の間には、床を中心に、縁側に付け書院を設け、反対の下座側には床脇(とこわき)と呼ばれる違い棚などを設置した空間が設けられます。「行」や「草」は格調よりも風情や雅を求めるもので、床
柱に丸太を使ったり、皮の付いた自然木を用いるなど、味わいのある空間を表現します。
畳
畳は日本の伝統的な床材です。和室に敷き詰めて断熱効果と適度な弾力性をもたらします。
ライフスタイルの変化によって洋室中心の生活になり、和室のない家も増えていましたが、最近では再び和室の良さや畳の魅力が見直されています。
畳は、畳床(たたみどこ)に畳表(たたみおもて)をかぶせ、長方形の長い方の辺に畳縁(たたみべり)を縫い付けて仕上げます。畳床は、従来は稲わらを圧縮して作っていましたが、最近では新建材を用いたり、稲わらと新建材を組み合わせることで、耐熱性・断熱性・防虫防カビ効果などが高いものが登場しています。
畳表にはイグサが使用されます。イグサは調湿効果があり、高温多湿の日本の風土に適した建材だといわれています。また、イグサには「畳のにおい」といわれる香りがあり、リラックス効果もあるようです。
畳の大きさは地方により異なり、京間、中京間、江戸間などがあります。また、和モダンな雰囲気を狙って、縁のない琉球畳などを用いる例も増えています。
柱
柱とは、建物の軸組みで、土台に対して垂直に立てて、屋根や床の荷重を土台や基礎に伝えるものです。木造軸組工法やラーメン構造では、梁などとともに建物を支える最も重要な部材です。
柱の太さは、柱の位置や部屋の大きさ、支える重さによって決めます。木造2階建て以上の場合には、土台から軒まで通った継ぎ目のない「通し柱」が建物の四隅に使われます。「通し柱」は、上下階を構造的に一体化させて耐震性を高めるために重要なものです。各階ごとに梁や胴差しなどで区切られた柱を、「管柱(くだばしら)」といいます。「管柱」も各階の荷重を受ける構造体です。このほか、柱と柱の間に壁の補強のために入れる柱を「間柱(まばしら)」と呼びます。また、壁に取り付けた装飾用の柱を「付け柱」といいます。