不動産投資はリスクがあるもの!
対策は念入りに地道に取り組むことが大切です。
目次
不動産投資が割に合わないと言われる理由は?
【理由1】リスクがある
空室リスク
【対策例】
① 収支シミュレーションにおいて厳しめな収支計画を行っておく
一般的な空室想定が満室想定家賃に対し10%のところを20~30%で見ておきましょう。近隣の同等物件の入居率によってはさらに厳しく見ておくことが大切なポイントです。
② 物件の間取りにおける需要と供給をしっかりリサーチする
いくら立地が良くとも需要と供給のバランスが崩れているエリアにおいては空室リスクが高まります。仲介店、管理会社で物件周辺の同類の間取りの需要と供給のリサーチをすることで空室リスクを低減させることが可能です。
③ 損害保険に加入する
災害、事件事故などによる特別な事情による退去においては損害保険で家賃収入をカバーできる商品もあるので、加入してリスクヘッジすることが可能です。
災害リスク
【対策例】
① 災害の起こりやすいエリアにある物件を選ぶ際に慎重に行う
リスク対策が困難な場合、見送る決断も必要です。ハザードマップで購入予定の物件で想定される洪水リスクなどを事前に確認することが可能です。
損害保険に加入することで万が一の災害における金銭的損失をカバーすることができます。大手保険会社で火災保険の主契約に家賃収入特約をつけることで空室損を回避することが可能になります。
【理由2】高利益が出にくい
【対策例】
① シミュレーションソフトを使い綿密にキャッシュフローの確認をする
利回りの低い物件の取得、利回りは高くとも築古物件でローン返済年数が短い物件を取得した場合、手残りが薄くなります。税引き前キャッシュフローと税引き後キャッシュフローは全く手残りが異なるため、場合によっては税理士などの専門家のアドバイスをうけることがベストです。
② キャッシュフローの出るローン条件を模索する
シミュレーション結果を用いて金融機関のアパートローンの選定ならびに融資条件の交渉を行い、キャッシュフローの確保できる運営環境を構築することがポイントです。
③ 金利条件の見直しをする
高金利で融資を受け、数年の運営実績を持っている場合、金融機関に金利交渉をしてみるとよいでしょう。仮に融資条件の特約事項に金利の見直し「不可」の条件がある場合や交渉を受け入れてもらえない場合は、ほかの金融機関に借り換えの打診をすることをお勧めします。
【理由3】手間がかかる
【対策例】
① 優秀な管理委託先を選ぶ
優秀な管理会社、担当者は入居者間のトラブルを円滑に解決してくれます。不動産仲介店や地元不動産業者に評判のよい管理会社を紹介してもらったり、ポータルサイトを用いて複数社面談したりして選定すると良いでしょう。
② 専属のプロの業者と提携する
水漏れ、給湯器などの故障は入居者より即座に対応を求められます。管理会社が専属の設備業者と提携しているか否かの確認を行いましょう。
③ 事前に古くなった設備を取り換える
エアコンや給湯器などは、おおよそ10年を超えたころを目安に交換することがポイントです。一見コストがかかると思われますが、昼夜突然設備が壊れて緊急で対応することと比較すると安価に済むものです。
緊急時には値段交渉はほぼ不可能です。 平時であれば値段交渉もしやすく、コストダウンと故障リスク両面の恩恵が受けられます。

【理由4】維持コストが高い
【対策例】
① 維持コストが高い業者からコストを抑えられる業者に変更する
管理会社に支払う管理手数料や浄化槽、エレベーター、消防点検などさまざまな維持管理コストがかかります。これらの維持管理コストを見直すだけでもずいぶんとコスト改善につながります。
② サブリースは解約をする
サブリースを解約すれば家賃の数パーセント以上の収益アップが期待できます。解約したあとの入居者募集や管理条件など総合的にみておくことがポイントです。
③ 共用部の照明をLED照明に交換する
照明をLEDに交換するだけで毎月のランニングコストが半分以下になると言われています。交換することで交換費用の元がとれるだけでなくそれ以降の電気料金のコスト削減になります。
不動産投資をやらない方がいい人の特徴
不労所得だと思っている人
管理会社にすべて任せるにしても、実際に入退去やトラブル時には現地確認をし、オーナーとして交渉やお金の決済をしなければなりません。想像より労力が必要だと考えて取得するくらいでちょうど良いと心得ましょう。
忙しすぎて学ぶ時間もない人
プロに任せておけば素人でも大丈夫という考えは危険です。物件を取得後もセミナーや書籍などで学ぶ心構えが必要です。
自己投資することが最大のリターンに直結します。時間と経費を惜しまない事が成長とリスク回避に寄与するポイントです。

開始資金がない人
また購入後の突発的な費用発生に対応できず、苦戦する羽目になります。不動産投資を始める際に物件価格の20%程の自己資金を確保することがポイントです。
不動産投資は物件取得前の準備とパートナー選びが肝心
ブレないための目的・目標を設定する
目標、目的が無いと自身がどのように活動したら良いかわからないだけでなく、物件を紹介する業者側からみると、おつきあいしにくい客にみえてしまいます。
目標、目的を掲げることで自身がどんな物件を購入したらよいのか、どんなパートナーと組めばよいのかなど具体的にイメージすることが可能になります。
不動産投資についての基礎知識を学ぶ
セミナー・書籍・大家さんの会など不動産投資の情報に触れる環境を構築することがポイントです。
リスクの少ない物件を選ぶ
融資に協力的な金融機関を開拓する
既存取引のある金融機関や不動産業者の紹介なども含め、自身で新たに開拓しておきましょう。
信頼のできる管理委託先を選定する
ポータルサイトを利用したり、物件のエリアの仲介店などに相談し評判の良い管理会社に管理委託することがベストです。
不動産投資を始めて割に合わないと感じたら?
状況が変わり将来的に利益が出にくい場合、売却するという方法も
金融機関から融資を受けてローンを組んでいる場合、ローンの残債以上の価格で売却できればよいのですが、もしそれ以下の価格になると資金を持ち出しての売却となります。どのタイミングで売却するのがベストなのか慎重に判断する必要があります。
困った時の相談先をいくつか持っておく
物件の売買など不動産に関する相談 |
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公益社団法人 全国宅地建物取引協会連合会の無料相談 |
家賃滞納、原状回復費用の改修、近隣トラブル |
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弁護士 ※管理委託している管理会社が対応しきれない場合 |
経費、確定申告などの税務関連 |
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税理士 各都道府県の税理士会に無料相談窓口があるほか、国税局税務相談センターがあります |
まとめ
万が一のリスク発生や、最悪の事態の際の撤退を想定しておくことなど、事前の準備に力を入れて行う事が、運営においての最初のミッションです。不動産投資で豊かな人生を手に入れるためには、良いことばかりでなくネガティブな部分も織り込んでおくことが成功の秘訣です。
不動産投資はリスクがあるもの!
対策は念入りに地道に取り組むことが大切です。
この記事の監修者

安藤 新之助
株式会社サクセスアーキテクト 代表取締役
高校卒業後、通算20年以上住宅業界に携わり、2008年不動産投資を開始。当時の年収400万円から7年で資産10億円と家賃収入1億円を達成し、42歳でサラリーマン生活を卒業しセミリタイア。現在12棟195室を保有する実践不動産投資家としてwebコラム執筆やTV、新聞などのメディアに多数出演しながら、2法人を運営し不動産賃貸業ならびに不動産賃貸経営コンサルタントとして活動中。「NOをYESに変える不動産投資最強融資術」(ぱる出版)を執筆。
損害保険で特約を付けるとコストが高くなりますが、そこは必要経費と割り切りましょう。万が一の際に最高のリスクヘッジになります。