【現役の不動産会社社長に聞く】失敗しない賃貸選びのポイント!

  • 公開日:
  • 2017年12月06日
【現役の不動産会社社長に聞く】失敗しない賃貸選びのポイント!
今回は、現役で賃貸の仲介などを業務とする不動産会社を経営する方にもいろいろアドバイスしてもらいました。プロの側から見た賃貸選びの現場の話なども織り交ぜながら、賃貸選びのポイントを、間取りの基礎知識、収納、お部屋選び、賃貸選びで気づきにくいこと、の4部構成でお送りします!
株式会社R&B 代表取締役社長 青木則宣
三菱地所住宅販売株式会社(現 三菱地所レジデンス)を経て、大手ゼネコンの販売アドバイザリー、デベロッパーへの戦略的マーケティングを提案するプランナーとして活躍し、平成21年都心を中心にした不動産仲介、デザイン、リフォームを行う株式会社R&Bを創立。代表に就任。

【間取りの基礎知識】カタカナや英語に惑わされない間取り選び

賃貸住宅選びは落とし穴だらけ?
今とは違う街で生活をしたい。今より広い住宅に移りたい。そんな思いで賃貸住宅を選ぶ時でも、いざ探しはじめてみると、わからないことや、自分では気づかないことが、たくさん出てきます。それで、ちょっと気持ちの勢いが下がったり、なかには「失敗した」という経験をされた方もいるかと思います。そこで、どんな観点で賃貸住宅を探したらいいのか、気を付ければいいのか。

まずは、間取りの基礎知識「結局どんな間取りなの?カタカナや英語に惑わされない間取り選び」をお送りします。

「スタジオタイプ」と「ワンルーム」何が違う?
スマイティの賃貸情報をみていると、「スタジオタイプ」という間取りを結構みかけます。間取り図を見ると部屋の仕切りはなく、見た限りはワンルームマンションと違いはないようにも見えますが、何が違うのでしょうか?

ひとり暮らし用の空間であるワンルーム
進学や就職で、はじめての一人暮らしを始めた時は、ワンルームマンションだったという方も多いかと思います。ワンルームというと、間口の狭い居室、玄関脇に小さな流しと一口のコンロだけのキッチン、バスと洗面台とトイレが一緒になったユニットバス、という20平米ぐらいの部屋が標準的です。

ワンルームマンションが生まれたのは1980年代。現在では手狭に思える間取りですが、当時の若者にとって、他人に全く干渉されない独立性が高いワンルームはリッチな住まいであったのです。

NYスタイルを真似たスタジオタイプ
スタジオタイプとは、元々はニューヨークなどでみられた、100平米以上ある居室の仕切りを全て外した住居で、本当に写真スタジオのような大きな「がらんどう」になっている部屋のことを指していました。日本では100平米でぶち抜きということはまれですが、それでもいわゆる「ワンルーム」よりも広い30~50平米程度のことが多いようです。

部屋の中は仕切るものがない、がらんとしたスタジオタイプの部屋

あらためて「LDK」とは?
間取りといえば「1K」「2DK」「3LDK」と色々表記がありますが、この「LDK」や「DK」の正しい意味はご存じですか?

LDKなら広さ12畳以上が快適
Lはリビング、Dはダイニング、Kはキッチンの意味です。ですから「DK」はダイニングとキッチンが、「LDK」はリビングとダイニングとキッチンがひとつにまとまっている部屋のことを指します。

ひとつの空間に、リビングとダイニングとキッチンの機能が集まるLDK

昔はDKがほとんどだったのですが、住宅が広くなるに従いDKの面積が広がり、LDKに進化したのです。LDKとして認められる広さは10畳以上ですが、できれば12畳以上の広さがあった方が家具の配置もゆとりができます。

2LDKではなく、3DKという選択肢もある
本来なら、リビングセットとダイニングテーブルの両方を置ける広さがあって、はじめてリビングダイニングのはずですが、本当に10畳あるのかという部屋もLDKと表示している物件もたまに見かけます。検索で物件を探す時は注意が必要です。

そのような、模造の2LDKなら、居室が3つとDKのあわせて4部屋ある3DKの方がよっぽど良いかも知れません。3つある居室のうちひとつをリビングとして使用するなら、使い勝手は2LDKと同等になります。

「3DK」とか「2LDK」という表記は間数を示しているだけで、実際の広さや使い勝手まで表現出来る表記ではありません。3LDKよりも広い1LDKも実際に存在します。あまり特定の間取りに固執せず広く検索すべきでしょう。

「+S」ってなんだろう?
また、間取りを検索していると「2LDK+S」といった表示をときどき見かけます。この「+S」とは何でしょうか?

行灯(あんどん)部屋
「+S」というのは「サービスルーム」という意味です。建築基準法では一定の日照がないと居室として認められません。「日が当たらない」という意味で、「日中にも明かりが必要」という連想から「行灯(あんどん)部屋」など言われることもあります。しかし、実際には居室として利用することを前提として、他の部屋と同じ内装をしていることも多いのです。

日照の関係で居室にならないサービスルーム

DEN(でん)
サービスルームを別の言い方で「DEN」と呼ぶ場合もあります。DENとは英語で「巣穴、ほら穴、巣窟、隠れ家」といった意味です。書斎やホビールーム、家事室として使うことを想定した部屋になります。前述の「スタジオタイプ」もそうですが、ちょっとオシャレでゆとりがある空間演出をイメージするようなネーミングと言えるでしょう。

大きなリビングがあった方が良いのか、家族それぞれの個室が充実していた方が良いのか、家族構成やライフスタイルによって考え方は色々です。間取り選びというのは生活スタイルを選択することなのかもしれません。理想とする生活とそれに必要な家財道具の量を意識した上で間取りを選ぶ必要があるようです。

プロの一言
間取り選びはとにかく現場を見ること。間取りの呼び方や言葉には惑わされないことです。間取りに関するワードは時代とともに変遷し、常に「目新しさ」を志向して新しい表記が現れてきたのですが、原点は空間としてどう使うかです。自身の目で確認し、自身の生活イメージがわく住まいであるかを基準として選びたいですね。

【収納】あるから安心ではなく、総合的に考えないと失敗する

住宅選びでいつも困るのが「収納」
断捨離(だんしゃり)のブームもありますが、家の中のモノを減らすのはなかなか大変なことです。そもそも引っ越しを考えた理由が、物が増えて収まらないからという方も多いのです。賃貸住宅を選ぶ際に収納で失敗しないポイントをいくつか考えてみましょう。

クローゼットはスペースだけでなく、細かなチェックを
「収納が少ない」と言われている賃貸住宅でも近年はクローゼットを充実させた物件は増えています。しかしこのクローゼット、実際に使ってみると使い勝手の悪いものが結構あるのです。

「固定棚」よりも「移動棚」が使いやすい
クローゼットを開けると棚がたくさんあって便利です。ところが棚板が固定されていると、荷物の大きさと棚のサイズが合わないため思ったほど物が入らないということがあります。できれば、棚板が移動出来るタイプの方が、同じ大きさのクローゼットでも有効に使えます。

ダボを入れ替えることで棚の高さを調整できるクローゼット

ハンガーパイプにこまかな工夫がされているか
クローゼットの中に手前と奥の二重にハンガーパイプが取り付けられていると便利です。手前に今使う冬物を掛けて、奥に今は使わない夏物を掛ける、という使い方が出来ます。ところが、中には全体の奥行きが充分でなく、手前と奥の両方にハンガーを掛けると肩と肩の部分がぶつかって思ったほど上着が掛けられない、といういい加減な作りのクローゼットもあるのです。

また、ハンガーレールが上下2段になっており、収納量が多くて便利と思っても、丈の長いワンピースやコートなどを掛ける場所がない、ということもあります。見学の際にはスペースを測ることも忘れないで下さい。

ハンガーパイプが一列一段のシンプルなクローゼット

憧れの「ウォークインクローゼット」でも気を付けなければいけないことが多い
分譲賃貸や高額賃貸物件では大型の収納であるウォークインクローゼットが設置されている場合もあります。ただウォークインクローゼットと言っても、ほとんど中には入れない大きさのものから、一部屋ぐらいある大きさまでさまざまです。

ウォークインクローゼットで気を付けなければいけないのは、どんどん荷物を押し込めると手前の荷物が邪魔をして奥のものが取り出せなくなることです。その点、2ウェイで出入り出来るタイプでは面積の効率は悪くなりますが、収納を活かすという点では有利な作りです。

大きな空間にたっぷりと収納出来るウォークインクローゼット

収納するアイテムと収納スペースの関係
年に数回しか使わないようなスノーボードやゴルフバックなどの荷物は、どこにしまいますか?掃除道具などの出し入れの多いものの収納と、あまり使う機会はないが持っているものとの収納は分けて考える必要があります。

トランクルーム
最近は分譲マンションだけでなく、賃貸マンションでもトランクルームが設置されているマンションがあります。トランクルームというのは居室とは別の場所に用意された使用頻度が低い道具などを収納出来る納戸のことを指します。設置場所は部屋の玄関の直ぐ隣だったり、地下階に全住戸分用意されている場合だったりとさまざまで、その大きさや棚の有無などは物件によって異なります。

中には湿気が強く、長期間おいていた荷物にカビが生えるなどのトラブルもありますので、カビの跡や臭いにも注意して確認する必要があるでしょう。

シューズインクローゼット
最近の分譲マンションでは大型のシューズインクローゼットを設置するのが流行っています。玄関の土間に扉がついており、そこを開けると小さなひと部屋がすべて下足箱になっています。

築浅の分譲賃貸であれば、シューズインクローゼットのある住戸を選ぶことも可能です。荷物が多い方は検討してもよいのではないでしょうか?

細かな収納もチェックしたい
大きな収納も大切ですが、実は毎日使う小物の収納も大切です。いくら毎日使うといっても、出しっぱなしには出来ません。毎日使う小物の整理は結構難しいのです。

キッチン
みなさんは現在使われているキッチンで砂糖や塩、醤油などの調味料はどこにおいているでしょうか?キッチンには、小さな料理器具から乾物のようにたまにしか使わない食材まで様々な小物がありますので、キッチンに大小さまざまなポケットが多くある方がありがたいわけです。

もしくは、はじめからシステムキッチンに収納することは諦めて、ホームセンター等でキャビネットやワゴンを購入して、充分な小物収納をそろえるという考え方もあります。

小物収納が豊富だとすっきりしたキッチンになります

バスルーム・洗面所
さらに難しいのは、洗面所やバスルーム。最近は家族ひとりひとりが異なるシャンプーとリンスを使っていることも多く、バスルームに5本も6本もボトルが並ぶ家庭もあるようです。かといって洗面所に代わりの置き場所があるとも限りません。カビ用漂白剤をバスルームに出しっぱなしにするのは、見た目もよくありません。バスルームをすっきりさせるには、洗面所にどれくらいお風呂関係の品物が収納出来るかがカギになります。洗面台の下や洗濯機置き場の上などに収納があれば上手に使えるでしょう。

鏡の裏が棚になっているだけでも、だいぶ使い勝手がよくなります

デザイナーズマンションは見せる収納
壁をコンクリート打ちっ放しにしたり、水回りをオシャレな輸入設備であつらえるような「デザイナーズマンション」と呼ばれる住戸も相変わらず人気です。このような住戸では極端に収納スペースは少なく、キッチンの流しの下にも物が置けなかったりします。

「自分の所有物は全て美しいものでそろえる」というポリシーを持って、見せる収納を徹底することがカギかもしれません。

そこまで出来ない場合は、コンテナやトランクなどを利用して美観を保ちつつ、収納力を高める工夫が必要となります。また、室内に置くものを最低限にするために、賃料を払って借りる外部の収納サービスなどを利用することを最初から想定して選ぶということを考えても良いでしょう。

プロの一言
収納は、個人的にどのような暮らしをしているかということと大きく関係しますよね。デザイナーズの収納の件で触れているけど、おしゃれな打ちっぱなしの賃貸マンションで持っているものを全部見せるような生活もあると思うし、服にたくさんお金をかけて大事にしている人にとっては服のために一部屋つぶしたって構わないと思うだろうし。だからこそ収納は自身で確かな方針を持って選ぶべきですね。それと収納は図面や写真ではその使い勝手はほとんどわからない為、内見するときにしっかりチェックすべきポイントです。

普段の生活の中では、自分がどれくらいの物を持っているかとは気にしないものです。それが、引っ越しが決まると途端に慌てて整理することになります。次の住まいを検討する時は、ただ大きい空間があればいい、ということではなく、どこに何を置くか?という想像力の勝負なのかもしれません。

【お部屋選び】こんな選択肢もある!

ここからは、今回アドバイザリーをお願いし、これまでに多くの賃貸物件を見てこられた、不動産仲介、デザイン、リフォームを行なう株式会社R&B社長の青木さんに、「賃貸選びのポイント」についてアドバイスを伺いたいと思います。

北向きを積極的に検討しよう
編集部まずは賃貸住宅選びで「常識では思いつかない、こんな選択もあるんだよ」という選び方があれば、教えてください。
青木私の考えでは、賃貸マンションやアパート、特に都心エリアでの賃貸マンション選択では「北向き」を積極的に検討するというのは賢い選択です。
編集部海外では、家具が日焼けしにくいとか、景色がきれいに見えるってことで、北向きを希望する人が多いと聞きますね。そういうことですか?
青木今回の話はそれとは違います。たとえば、都心のビル街にいると、どっちが南だといったような「方位」に関する意識が、たぶんないですよね。高い建物が多いので、直接陽の光が差す範囲が限られているということもあります。さらに複数の建物に反射して、複雑に日光が差しこんでいることの影響も大きいと思います。賃貸住宅でも同じようなことが起きる場合があります。特に都心の物件に多くなりますが、北向きの住戸でも近くの建物からの反射など意外と明るかったりします。実際の様子を見ないで、「北向きだから暗い」との判断は出来ません。

ビルの多い立地では反射光もあってあまり方位を意識しないで済む

ルーフバルコニー付住戸の魅力
青木それから「ルーフバルコニー」の存在も見逃せません。ルーフバルコニーがある住戸はそれほど多くないので検討対象になることも少ないと思いますが、自分が探しているエリアでルーフバルコニー付の物件があったらぜひ検討対象にすることをお勧めします。
編集部その魅力とは?
青木特別な空間をリビングと同様に独占出来ます。ロケーションにもよりますが、季節ごとの様々なシチュエーションにおいて開放的な空間でくつろぎながら、桜を見たり、花火を見たり・・・雪の日は雪ダルマもつくれます(笑)。日々天候に左右されるオープンエアの空間ですが、それだけに普通の賃貸マンションでは実現できない特別な生活スタイルを持てるのです。
編集部うーん。ルーフバルコニー付きの賃貸住宅は数の少ない物件ですね。

ルーフバルコニーはのんびり出来るもうひとつのリビング

マニアックな「附置義務住宅」
青木さらにマニアックな選択肢もあります。最近は新たに建築されることは少なくなったのですが、「附置義務住宅」という賃貸マンションがあります。1980年代から90年代にかけて都心の人口が減っていた時代には、行政が住宅建設を強く奨励していました。そのためビルなどの業務施設を開発するときに、開発する会社へビルの上層階などに住宅を配置することを義務づけていたのです。
編集部たしかに上層階が住宅になっていて「ビルのオーナーの住まいかな?」と思ったら、賃貸マンションだったというオフィスビルがたまにありますね。
青木これらのビルの上のマンションは、エントランスが小さいことが多く、またマンション名もビルのままになっているので、まったく目立たちません。しかし建物はオフィスビルとして設計されているので安心できます。またビルとマンションの管理が共通なので、大規模マンションでもないのに24時間有人管理の場合もあります。また外構の手入れや共用部分の清掃も念入りで、管理の品質が高いマンションが多いのです。
編集部さすがに「附置義務住宅」ですと、スマイティでも検索は難しいですね。

附置義務住宅ではビルと住宅の管理が共通、メリットが多くあります

築年数だけで物件を判断しない
青木検索が難しいという点では、こんな例もあります。築年数は、物件の建物としての状態を評価する物差しとして非常に有効ですが、絶対的な規準とは言えません。最近ではマンションなどの集合住宅で「リノベーション」が一般化して、築年数の古い物件の設備や床壁天井を丸ごと新しくしてしまう物件もあります。築年数は建物が竣工してからの年数ですので、スマイティで築年数を「新築」や「築浅」を条件にして探したりすると見つからないことになります。
編集部とは言っても、建物自体は古いわけですよね。
青木分譲の中古などでは、建物の「躯体」の価値は大事ですが、賃貸では自分が住んでいる期間に新しい最新設備が使えるわけですから「躯体の築年数」にはこだわらないという考え方もありだと思います。
編集部一般的ではない少数派の魅力ある物件たち。物件を探しているなかで、もし出会ったならば、是非検討してみたいですね。

床壁をはがして丸ごと新しくする「リノベーション」。キレイな部屋に変身させます

図面だけではわからない、賃貸選びで気づきにくいこと

「フリーレント」は契約条件を確かめて
編集部賃貸選びで「こういう点に気を付けよう!」とか、「こんなこと知ってました?」というようなことがあれば、教えて頂けませんか?
青木そうですね。「フリーレント」が最近増えてきましたよね。最初の一か月とか二か月などと期間を区切って、その間の賃料が0円になるという仕組みです。
編集部引っ越し当初は色々と物入りだったりするので、費用負担が減るのはとても魅力的ですよね。
青木確かに、メリットは大きいのですが、気を付けるべきこともあります。選ぶときには、自分が確実に一定期間住めることを確認することをお勧めします。というのは、フリーレントを適用するには、決められた月数を居住することが条件となっています。多くの場合は最初の契約期間と同じ期間ですが、事情によりその間に引っ越しという事態になると、無料であったはずの賃料を後から払わなければいけない契約に、多くの場合なっています。
編集部半年で出ていくことは少ないでしょうけれど、転勤などを考えれば、全くあり得ないわけでもありません。確かに慎重に選ぶ姿勢は必要なのですね。

現地調査は朝昼晩が基本。積極的に夜の現地確認を
青木住まいさがしの基本として、現地は「昼だけでなく朝や夜も確認しよう」というのは昔から言われていますが、これはもっともな話です。
編集部そこまで何度も足を運ばないとダメなのでしょうか?
青木サラリーマンなら、まとまった時間が取れるのは休日だけです。複数の物件を比較検討するにはなかなか時間が足りません。それでも比較検討の段階では、少なくとも「昼だけでなく夜も見てから判断する」という姿勢が必要です。特に商店街や飲食店街がそばにある場合は、夜遅くまでにぎわっていることもあるので街の雰囲気を確かめておく必要があります。

昼間見ると静かな町でも、夜を確認しておこう

いいなと思った物件がすでに埋まっていた時は、もう一度冷静になろう
編集部焦って、自分が出来ることを省略してはいけない、ということですね。
青木「焦ってはいけない」という点では、不動産会社との付き合い方も、意識するべきでしょう。賃貸を探していて、「いいな」と思った物件を見つけ、不動産会社に問い合わせたがすでに決まってしまっており、その部屋がなかったということはよくある話です。多くの不動産会社は別の賃貸を勧めることが多いと思いますが、その時は冷静に物件を判断しましょう。
編集部その「お勧め」は、「お勧め」の価値があるとは限らないということですか?
青木いい物件を案内していた会社が勧めてくる物件なので、「次善の選択」のように勘違いしてしまいますが、もう一度冷静になって広く探してみることをお勧めします。

鍵は大事にしよう
青木次は、賃貸に住んでから後の話ですが、最近のマンションで増えてきた「ディンプルキー」を採用した賃貸に住むときには、紛失しないように気を付けましょう。セキュリティ面では「ディンプルキー」は望ましいです。簡単に複製できませんし。ですが、それ故に再度製造するとなると面倒です。鍵の複製というと、なんとなく町の鍵屋さんで安くできそうなイメージがありますが、ディンプルキーではそれはできません。紛失してしまうと場合によりますが、50,000円~80,000円程度のお金がかかることが多いようです。それにディンプルキーはちょっと変形しても鍵を開けられなくなります。その場合でも、新しい鍵を製造する必要があって、紛失と同じです。ですから大事に扱いたいものです。
編集部鍵で大枚を叩くのはちょっとイヤですね。これから注意します。

無くした時に、もう一度つくるには、高い費用がかかるディンプルキー

火災保険は自分で選んでもOK、自分でどのような保険に入るか考えよう
青木あと、賃貸住宅に入居すると、不動産屋さんから同時に火災保険への加入を求められますよね。建物自体の保険は所有者(大家さん)がかけていますので、新規契約時や契約更新時に加入する保険は、借りる人の立場では「家財を火災などから守るための備え」ということになります。アパートやマンションの場合、自分で火事を出さなくても同じ建物から火事が出てしまえば自分の家財が損害を受ける可能性が高いですし、日本の法律では失火で損害賠償請求はほとんどできません。そのために自己防衛としての保険が必要になります。
編集部もらい火で家財道具を無くしたら、その日から生活に困ってしまいますから、もしもの備えは必要ですよね。
青木はい。それで保険に入る際は、別に賃貸をあっせんしてくれた不動産会社を通さなければいけないということはありません。また保険料についても賠償の範囲を考えて、高価な家財を持っている人は多めにかけるべきですので、自分で判断すべきだと思います。
編集部自分で保険会社を選ぶことも出来るのですか。それは知りませんでした。

編集部本日はたくさんのためになるお話を伺えました。最後に一番大事なポイントを教えてください。
青木賃貸住宅選びは、転勤や学校への入学などの場合、住むべきエリアが決まってから住まいを決めるまでの時間が短い場合が多いですから、効率よくかつ慎重に情報を集めて選ぶ必要があります。その際に、本日お話ししたことなどを含めて留意されて、いい賃貸住宅に巡り合えることを祈ります。
編集部お忙しい中、大変有り難うございました。

株式会社R&B 代表取締役社長 青木則宣
三菱地所住宅販売株式会社(現 三菱地所レジデンス)を経て、大手ゼネコンの販売アドバイザリー、デベロッパーへの戦略的マーケティングを提案するプランナーとして活躍し、平成21年都心を中心にした不動産仲介、デザイン、リフォームを行う株式会社R&Bを創立。代表に就任。
※この記事は、2014年1月に書かれたものに一部加筆修正をしております。

※紹介されている情報は、記事公開当時の内容となります。