立川基地跡と立川駅前の再開発が相乗して大規模な都市に進化

多摩地区には「三鷹」「府中」「国立」「多摩」「八王子」「町田」といった個性ある都市が数多くありますが、最も成長が著しいのは「立川」です。政府や都の施設が多く建設され、駅前には大型商業施設も増えました。近くには大な公園も整備されています。今回はそのJR中央線「立川」駅の周辺エリアに注目してみましょう。

巨大家具店「イケア立川」がオープン

テレビニュース等でも報じられ、ご存じの方も多いと思いますが、世界規模の家具販売チェーン「イケア立川」が先日オープンしました[平成26年(2014年)4月10日]。連日多くの人が訪れており、最初の土日には周辺道路で渋滞も発生する賑わいでした。早速、立川の新しい名所になっているようです。

この店舗は「イケア」の国内7店目となりますが、東京都内への出店は初めてです。「イケア」は郊外型の巨大店舗として有名で、「イケア立川」も、敷地面積約26,000m2、売場面積約40,000m2、駐車台数が約1,500台という途方もない大きさです。都内でこれだけのスペースを探すのは大変だったでしょう。この立川にこの巨大商業施設を出店出来たのは、この地にそれだけ広いスペースがあったからに他なりません。

しかもこのエリアにあるのは「イケア」だけではありません。周りを見渡すと、広々とした敷地に政府や東京都関係の施設が建ち並んでいますし、まだ未利用の土地も残っています。さらにその奥にはもっと広い公園まであります。何故これだけの大きなスペースがあったのでしょうか?

この春(平成26年)にオープンした都内初の「イケア立川」

この春(平成26年)にオープンした都内初の「イケア立川」

このエリアは、実は昭和52年(1977年)に米軍より全面返還された立川基地の跡地です。
返還後、敷地は西・中央・東の3つに分けられ、開発が進められました。西側の部分は都内最大規模を誇る国営昭和記念公園が設営されました。中央部分には「立川広域防災基地」が設置。首都圏に大災害が発生した場合に備えて、内閣府、国土交通省、東京都、東京消防庁、警視庁、海上保安庁、陸上自衛隊、日本赤十字社などの施設が集まっています。そして東側のエリアは立川市役所などの行政施設や民間のオフィスや商業施設の開発が進められています。

また平成12年(2000年)には多摩モノレールが開業しています。東京という都市が都心から西へ西へと開発が進んだこともあって、多摩地区は鉄道も道路も南北方向の整備が遅れていました。 立川も中心であるJR「立川」駅自体はJR中央線によって都心と直結しているため便利でしたが、そこから離れた南北のエリアはアクセスが悪くなるという問題を抱えていたのです。それがモノレールにより、西武線沿線、JR沿線、京王線沿線、そして多摩ニュータウンが結ばれて、それまでバス便であったエリアも一気にアクセス性が向上しました。ヒトとモノの流れが立川に集まったことで、「立川」駅の拠点性は一層高まったのです。

国営昭和記念公園

国営昭和記念公園として昭和53年(1978年)により整備に着手。昭和58年(1983年)より順次オープンしました。
大部分は入場料を必要とする有料エリアですが、「立川」駅に近い部分の無料エリアだけでも15ha以上もあります。その真ん中にはいくらでも走り回れる大きな芝生広場があって、周辺の住民の方々もよく利用しています。

広大な国営昭和記念公園 無料エリアの原っぱ

広大な国営昭和記念公園 無料エリアの原っぱ

「立川」駅周辺開発の概要

JR立川駅周辺だけに絞ると立川基地跡地の開発を含め開発は4つです。

名称 施行者 面積 都市計画決定 事業計画認可 進捗状況
立川基地跡地関連 UR 5.9ha 平成元年 平成2年 平成14年完了
立川駅南口第一 組合 0.6ha 平成元年 平成6年 平成11年完了
立川駅北口西 組合 0.7ha 平成20年 平成23年 事業中
平成27年完了予定
A地区(都市軸沿道地域) 個人 13.4ha 平成20年より順次行政・民間に売却

立川駅周辺の再開発の位置

立川駅周辺の再開発の位置

立川基地跡地関連地区 立川ファーレ

旧立川基地の最も立川駅に近い地域は住宅・都市整備公団(現 都市再生機構)によって開発されました。昭和57年(1982年)から事業が開始され、平成6年(1994年)に竣工しています。

名称 立川基地跡地関連地区第一種市街地再開発事業
所在地 立川市曙町二丁目
開発面積 5.9ha
施行者 住宅・都市整備公団(現 都市再生機構)
施設用途 事務所、店舗、ホテル、映画館、住宅、公共施設(図書館等)駐車場、 地域冷暖房施設
都市計画決定 平成元年(1989年)7月
事業計画認可 平成2年(1990年)12月
着工 平成4年(1992年)5月
竣工 平成6年(1994年)12月

立川市の市是「文化とやさしさ」に合わせ、イタリア語で創造性を意味する「ファーレ」という愛称がつけられます。「立川タカシマヤ」「パレスホテル」「シネマシティ」などの商業施設、立川市の中央図書館などの公共施設、「損保ジャパン」などのオフィスビルが広々した街区に立ち並びます。そしてその街路には世界中のアーティストが製作した109点のアート作品が展示されています。この「パブリック・アート」の本格的な採用は日本で初となるもので、再開発の手法として注目を浴びました。アートが街中にあふれ、その整った都市景観と相まって、「まち全体が美術館構想」が実現されています。

ファーレ立川の正面、タカシマヤとシネマシティの並び

ファーレ立川の正面、タカシマヤとシネマシティの並び

「立川」駅南口第一地区

JR「立川」駅の南口広場とその周辺エリアです。多摩モノレールの開業に合わせるようにJRの駅舎と連続した形で開発されました。主に商業施設の開発です。

事業の名称 「立川」駅南口第一地区第一種市街地再開発事業
施行者 「立川」駅南口第一地区第一種市街地再開発事業組合
施行地区 立川市柴崎町3丁目
地区面積 約 0.6ha
階数/高さ 地上10階/地下1階
施設用途 商業施設
都市計画決定 平成元年(1989年)7月
組合設立認可 平成6年(1994年)10月
権利変換計画認可 平成8年(1996年)1月
施設建築物工事着工 平成8年(1996年)8月
施設建築物工事竣工 平成11年(1999年)11月

南口の中核となる商業施設グランデュオ立川

南口の中核となる商業施設グランデュオ立川

北口にはタカシマヤや伊勢丹など大規模商業施設がある一方で、南口はかつて飲食店や小規模店舗が多い商店街が駅前に密集していました。地元からは駅前の整備とともに集客の中核となる大型店を求める声が強くありました。それを受けてJR東日本と阪急百貨店が出資して新しい駅ビルとして開発されたのか「グランデュオ立川」です。

「立川」駅北口西地区

JR「立川」駅北口の直ぐ西側には、かつて地元資本の「第一デパート」がありました。「タカシマヤ」や「伊勢丹」など大手に対抗するために、書店や趣味関係の店舗を入居させるなど個性的な店舗作りで、長い間地元に愛されて続けて来ました。しかし経営は安定せず、平成24年(2012年)に完全閉店となりました。この跡地を中心に開発されるのが「立川」駅北口西地区です。

施行者 「立川」駅北口西地区第一種市街地再開発組合
施行地区 立川市曙町一丁目、二丁目、柴崎町二丁目、三丁目
地区面積 約0.7ha
延べ面積 約 55,600m2
階数/高さ 地上32階地下1階 高さ約130m
施設用途 住宅(319戸)、商業・業務施設(地上1階、3~5階)、
業務施設(地上6~7階)、駐車場、駐輪場
事業施行認可 平成23年(2011年)5月
権利変換計画認可 平成24年(2012年)4月
着工 平成24年(2012年)11月
竣工 平成27年(2015年)11月(予定)

「第一デパート」跡地に建設中の「プラウドタワー立川」

「第一デパート」跡地に建設中の「プラウドタワー立川」

分譲マンション:プラウドタワー立川

野村不動産 総戸数319戸地上32階地下2階
平成26年(2014年)6月販売予定(平成26年3月現在)

野村不動産 総戸数319戸地上32階地下2階 平成26年(2014年)6月販売予定(平成26年5月現在)上層階からは関東平野を一望する眺望が期待されます。

立川基地跡地 A1~A4地区(都市軸沿道地域)

長い間保留地となっていた「ファーレ立川」と「立川基地跡地 B地区」(緑町北公園や東京都水道局などがある街区)の間にある「立川基地跡地A1地区」から「立川基地跡地A4地区」までについて行政や民間への売却が決定しました。

平成19年(2007年)8月 立川市都市計画審議会(案件説明会)
平成19年(2007年)10月 都市計画案の公告・縦覧
平成19年(2007年)11月 地区計画変更
平成22年(2010年)10月 立川市都市軸沿道地域企業誘致条例制定

A4地区には冒頭で説明したように、「イケア立川」が平成26年(2014年)4月にオープンしました。

まだある立川の商業施設開発

立川駅の徒歩圏の開発はこのくらいですが、もっと広い範囲でみると立川エリアの開発はまだまだあります。

先に示した地図では「立川基地跡地A地区」までしか表示していませんが、その北側には「立川基地跡地B地区」7.1ha、「立川基地跡地C地区」16.7haの開発も進行中で、自治大学校や地方裁判所など国の施設が多数建設されました。 さらに北側では、多摩モノレールで「立川北」駅から2駅先の「立飛」駅前で、三井不動産の「(仮称)立川立飛商業施設計画」があり、「ららぽーと」の出店が有力です。

名称 (仮称)立川立飛商業施設計画
所在地 立川市泉町935番1他
施行者 三井不動産、立飛ホールディングス
アクセス 多摩モノレール「立飛」駅直結(予定)
開業予定 平成27年
敷地面積 約94,000m2(約28,000坪)
店舗面積 約60,000m2(約18,000坪)

さらに会員制の倉庫店大型スーパー「コストコ」も立川市内への出店意向を見せており、当初は「ららぽーと」との併設も噂されましたが、現在は単独出店を目指して用地の選定を行っているようです。
また昭和記念公園の西側、昭島市側の保留地も開発が始まっています。国の機関が誘致され、一部は民間で商業施設になる計画です。

環境も豊かな未来都市の生活

駅前には大きな商業施設やオフィスビルが建ち並び、空中を走るモノレールの姿は、SF映画で観た未来都市の映像そのままです。「立川」が位置するのは郊外でありますが、この「立川」駅周辺は、都心のターミナル駅と変わらない都市機能が集中する街になっています。「立川」が位置するのは郊外でありますが、この「立川」駅周辺は、都心のターミナル駅と変わらない都市機能が集中する街になっています。
しかも、そこから歩いて5分の場所には昭和記念公園があります。その広さは1日では遊びきれない程で、都市の隣にあるとは信じられない規模です。

ビルの谷間を走る多摩モノレール

ビルの谷間を走る多摩モノレール

立川に住めるのであれば、もう「住むのなら、都心と郊外、どちらを選ぶべきか?」という問いかけは不要でしょう。都市の便利な生活も郊外の落ち着いた環境も、ここでは両方一度に手に入るのです。百貨店で世界の一流のファッションを買うことも、平日の夜に夫婦でいっしょに映画観ることも、地域の友人と赤ちょうちんで一杯やるのも、休日に広い原っぱで子供たちと遊ぶことも、立川駅北口から1km以内のエリアで実現出来るのです。これは多摩地区でも圧倒的な利便性と言えるでしょう。

スマイティでも、街並の様子や子育て環境、ショッピング、グルメまで、立川の住み心地のポイントや楽しいこと色々を「立川駅 街レポート」で紹介しています。是非ご覧下さい。

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