駅前の整備が進む「調布」駅。
再開発内では分譲マンションが2物件建設中

「新宿」駅より特急で15分、京王線の「調布」駅は落ち着いた印象の街でありましたが、平成24年にホームが地下化され、大きく変わろうとしています。
南口の再開発では分譲マンションも建設中です。今回は駅前の開発が進む京王線の「調布」駅に注目してみましょう。

武蔵野の雰囲気を残す調布市、その中心地である「調布」駅

調布市は世田谷区の西隣に位置し、三鷹市などと並び多摩地区の中でも最も都心に近い行政区のひとつです。しかし、新宿にも近い距離にもかかわらず市内の中でビジネスエリアや商業エリアは駅前など一部に限られています。市内の大部分は深大寺や多摩川沿いなど武蔵野の雰囲気を残す住宅地のエリアが拡がります。

その調布市の中心となるのが京王線の「調布」駅です。江戸時代は街道沿いにいくつかある小さな宿場町のひとつでしたが、京王線が開業し近くに町役場が設置されたことから発展が始まりました。

では、実際の「調布」駅周辺を歩いてみましょう。甲州街道がある「調布」駅の北側が旧市街といえます。まずこちらからです。北口の駅前にはパルコがあり、その脇を通り北へ進むと、直ぐに京王線に平行して商店街となっている旧甲州街道があります。さらに北へ進めば国道20号線、それを渡ると電気通信大学のキャンパスです。ここまで駅から歩いて5分ほどの距離で、あっという間に到着します。ここから北側は比較的大きい区画の戸建住宅が並ぶ環境のよい住宅地が拡がります。

北口広場からは三鷹方面の深大寺、神代植物園、運転免許試験場、杏林大学病院、国際基督教大学などへ向かうバス路線があります。もし、武蔵野の自然に触れたいと思うなら、駅前からバスで遠出するのもいいでしょう。

反対側の南口はかつて「駅裏」でしたが、北口から市役所が移転して、周辺の街区が整備されたことにより発展しました。駅前広場から品川街道へ向かって歩くと、道の両側にはスーパーや飲食店、金融機関などが並ぶ商店街です。この商店街から1本西側の通りには調布市役所や図書館、「調布グリーンホール」などの主要な公共施設が集まります。また外資系保険会社のオフィスなどもあって、南口の駅前は日中の通行量も多くなっています。

「調布」駅の地下化工事

「調布」駅は京王本線と京王相模原線の分岐駅ですが、以前は相模原線の上り線と本線の下り線が平面交差していたため輸送力に限界がありました。また、駅の周辺は踏切の渋滞によって街が分断されることも問題でした。これらを解決するために、駅を地下化して上り線と下り線を上下二層に分離する工事が平成20年より開始されたのです。平成24年には地下ホームの運用もはじまり、現在は地上部分の整備工事が継続しています。

地下化された「調布」駅、現在の地上の様子

地下化された「調布」駅、現在の地上の様子

現在の「調布」駅は駅や線路などの構造物が撤去され更地になったところに、地下駅舎への出入口がいくつかあるだけの状態です。以前なら狭い地下道や電車に待たされる踏切を通行していた人たちが、今は開放された駅舎の跡地を自由に往来しています。
今後は線路を挟み離れていた北口と南口の駅前広場が一体化され、とても大きな空間が生まれます。調布市では南北のバスターミナルを統合して、空いたスペースを公園化する構想を公開しています。

「調布」駅周辺開発の概要

「調布」駅周辺で進行中の主な開発は4つあります。

「調布」駅再開発の位置

「調布」駅再開発の位置

「調布」駅北第1A地区

北口のパルコの西側のエリアです。L字型の敷地には15階建ての建物が建設され1~3階には商業施設、4階以上が総戸数120戸の分譲マンションになります。すぐ南は京王線でしたが、地下化されため騒音はすっかり減少しました。

事業の名称 「調布」駅北第1A地区第一種市街地再開発事業
施行者 「調布」駅北第1A地区市街地再開発組合
施行地区 調布市小島町一丁目及び小島町二丁目各地内
地区面積 約 0.43ha
延べ面積 約 17,441m2
階数/高さ 地上15階/地下1階,高さ約55m
施設用途 住宅(約120戸),商業施設,業務施設等
都市計画決定 平成18年6月
組合設立認可 平成23年10月
権利変換計画認可 平成24年10月
施設建築物工事着工 平成25年6月
施設建築物工事竣工 平成27年5月(予定)

パルコに隣接した「調布」駅北第1A地区

パルコに隣接した「調布」駅北第1A地区

分譲マンション:グレーシア調布
相鉄不動産 総戸数120戸地上15階 平成25年11月より販売中(平成26年3月現在)。

「調布」駅北第1B地区

A地区とパルコに挟まれた街区で商業施設がつくられます。

名称 「調布」駅北第1B地区第一種市街地再開発事業
施行者 個人施行者
施行地区 調布市小島町一丁目地内
地区面積 約 0.24ha
計画概要 延べ面積 約 15,209.20m2
階数 地上10階/地下1階 高さ約36m
施設用途 駐車場・駐輪場,商業施設等
都市計画決定 平成18年6月
事業施行認可 平成25年3月
権利変換計画認可 平成26年2月
施設建築物工事着工 平成26年8月(予定)
施設建築物工事竣工 平成27年9月(予定)

調布駅南口東地区

南口の駅前広場に面する街区でも再開発が進んでいます。16階建ての建物は1~3階が商業施設、4階以上が総戸数190戸の分譲マンションになります。
正に駅前という一等地。表通り側は飲食店や銀行、スーパーなどが建ち並ぶ都市機能が高いスポットです。その一方で裏手の東側はマンションや戸建てが多い住宅地です。

事業の名称 「調布」駅南口東地区第一種市街地再開発事業
施行者 「調布」駅南口東地区市街地再開発組合
施行地区 調布市布田四丁目地内
地区面積 約0.4ha
計画概要 約 25,366m2
階数 地上16階地下1階 高さ約55m
施設用途 住宅(190戸)、商業・業務施設、公益施設、市駐輪場
事業施行認可 平成24年3月
権利変換計画認可 平成25年2月
着工 平成25年3月
竣工 平成27年3月(予定)

駅前広場に面した「調布」駅南口東地区

駅前広場に面した「調布」駅南口東地区

分譲マンション:セントラルレジデンス調布ステーションコート
住友不動産 総戸数190戸地上16階 平成26年5月販売予定(平成26年3月現在)

京王電鉄の開発計画

さらに地上にあった駅舎跡を京王電鉄が開発することも公表されています。駅への出入り口と合わせて複合商業施設が設置されますが、詳細な内容は今後発表予定です。

施行者 京王電鉄
施行地区 調布市田 4丁目、小島町2丁目ほか
  敷地面積 建物の階数 延床面積
A敷地 約4,000m2 地上6階 約19,000m2
B敷地 約1,700m2 地上4階 約6,000m2
C敷地 約6,200m2 地上5階・
地下2階
約24,000m2
用途 複合商業施設
竣工 2017年(予定)

整備工事が進む地上の駅舎跡

整備工事が進む地上の駅舎跡

多摩地区であっても、都市に住むスタイルが実現する

これまで京王線の大きな街といえば、ターミナルである新宿と八王子を除くと、調布の次の特急停車駅である府中や京王の本社や京王百貨店がある聖蹟桜ヶ丘でした。調布は特急も停まりますが、「都市」という印象は強くありません。しかし、駅の地下化をきっかけに南北の駅前広場が統合され、その周辺には新しい商業施設やマンションが建設されます。元々駅前に市庁舎があり、文化施設も整っていたため、人の流れは以前からありましたが、もっと人が集まる商業施設がつくられ、マンションが増えれば住民の数も増加していくでしょう。将来は、駅から半径500m以内に都市機能がコンパクトにまとまった魅力的な街になっていくと想像されます

拠点性があり都市機能の高い街は従来から都心エリアに多くみられます。夫婦ともフルタイムで仕事をしているような世帯の住宅選びで、交通アクセスと都市機能を求めると、これまでは選択肢のほとんどは都心エリアに限定されていたでしょう。

では、生まれ変わる「調布」駅はどうでしょうか?「新宿」駅から約15分という近さ、駅前の豊富な商業施設や文化施設、さらに自然が残るエリアに近いというメリットも加わります。多摩地区であっても「都市に住む」というスタイルが選べるようになるでしょう。