新駅と合わせて約13haの巨大開発
駅だけでなく、巨大な街ができることになる

平成26年(2014年)6月にJR東日本が以前より噂になっていた山手線30番目の新駅構想を正式に発表しました。山手線の新駅は昭和46年(1971年)の西日暮里以来ということで、メディアにも大きく取り上げられたのでご存じだと思います。
しかも今回は新駅が出来るだけではありません。新駅と合わせて約13haという敷地で大規模な駅前開発も同時に進行します。新しい巨大な街が出来上がるのです。

「高輪」「港南」「泉岳寺」、それとも・・・議論沸騰の新駅の名称
駅前開発は恵比寿や秋葉原を超える規模、160m級8棟のビル建設

新駅が出来るのは山手線の南西部分、「田町」駅と「品川」駅の中間です。「田町」駅と「品川」駅は山手線ではもっとも駅が離れている区間でしたが、その「田町」駅から約 1.3km、「品川」駅から約 0.9 ㎞付近になります。下の地図をご覧頂くと分かりますが、都営浅草線の「泉岳寺」駅から南東に300~400mほど離れた位置になります。

ここは品川車両基地として使われてきた場所ですが、現在建設中の上野・東京ラインが完成すると機能の多くを東京北部の尾久車両基地へと移転することが出来ます。現在第一京浜に近い位置を走っている山手線と京浜東北線を車両基地の中央部に移動させることで、第一京浜に近い西側の南北に細長い敷地を高度利用出来るようにします。 この地図で赤色に染めている範囲は約13haあります。「恵比寿ガーデンプレイス」が約8.3haですので、その1.5倍もの規模になります。羽田空港に近いため高度制限は160m程度。建設されるのは全部で8棟、3棟がマンション、5棟がオフィスと商業の複合ビルの予定です。

新駅は平成32年(2020年)の東京オリンピック・パラリンピックにあわせて暫定開業する予定です。再開発地区はそのあと順次開業することになると思われます。新駅の名前は公募するそうです。web上でも既に色々と議論が起きていますが、皆さんはどんな駅名が良いと思いますか?

田町-品川エリアの全体図

田町-品川エリアの全体図

港南方向より見下ろした新駅予定地

港南方向より見下ろした新駅予定地

山手線新駅以外にもさまざまな開発予定が周辺に

リニア新幹線始発駅(JR東海)

東京と名古屋を最短40分で結ぶリニア中央新幹線は、東京オリンピックには間に合いませんが、平成39年(2027年)に開業する予定です。このリニア新幹線の東京側の始発駅は「品川」駅港南口の地下に建設されます。
東海道新幹線が停車するようになってからターミナルとしての機能が高まった「品川」駅ですが、さらにゲートウェイとして重要な駅と街になります。もちろんJR東海の駅施設のグレードアップや駅前も都市機能の向上が期待されます。

中央リニア新幹線の品川駅が地下に建設される港南口

中央リニア新幹線の品川駅が地下に建設される港南口

京急線「品川」駅と高輪口の開発(京浜急行・東京都)

「品川」駅も大きく変化します。山手線と京浜東北線のホームは現在使用していない東側のホームへ移転します。そして、この空いた現在の山手線・京浜東北線のスペースに新しい京急「品川」駅を建設する構想があります。

京急「品川」駅はJRと第一京浜(国道15号線)に挟まれた窮屈なスペ-スにあって、現在は2階にあるホーム2面と線路3線で営業しています。このホームをJRと同じ地上に下ろし、2面4線に拡げることで、交通容量が飛躍的に増大します。また、八ツ山交差点付近の踏切と急なS字カーブを解消することで、運行時間短縮が可能になります。

JRと同様に2階がコンコースになれば、JRとの乗り換えも容易になります。また、ペデストリアンデッキを建設すれば、第一京浜を渡り京急系の商業施設「ウィング品川」や西武系の「品川プリンスホテル」ともフラットに結ばれます。国際化された羽田空港やリニア新幹線と連動する国際的なMICE(研修・報償旅行・会議・展示会)需要の増大が見込める中で、高輪のシティホテル群の高機能化は重要な課題です。

京浜急行「品川」駅と第一京浜(国道15号線)

京浜急行「品川」駅と第一京浜(国道15号線)

羽田新線(JR東日本)

新駅開業に連動する計画はまだあります。JR東日本が、東京都心と羽田空港を結ぶ新線も計画しています。
ルートは「田町」駅からは大井ふ頭までは休止中の貨物線を利用、大井ふ頭からは首都高湾岸の隣にトンネルを掘り羽田空港へと接続します。東大井付近で、りんかい線と地下トンネルで結び、JR「新宿」駅への接続する計画になっています。 JRの試算では、この新線で「東京」駅-羽田空港の時間を現在の約30分から18分に短縮、「新宿」-羽田空港は現状の42分から23分に短縮出来るそうです。 現在国や東京都と協議を続けている段階で、計画がずれ込む可能性もありますが、開通の目標は平成37年前後ということです。

環状4号線の延伸(東京都)

「環八とか環七は知っているけど、環状4号線なんて道路は知らない」という方も多いでしょう。東京都が指定する環状1号から6号までは、通常は別の名前で呼ばれています。環状1号線=「内堀通り」、2号線=「外堀通り」、3号線=「外苑東通り他」、4号線=「外苑西通り他」、5号線=「明治通り」、6号線=「山手通り」です。

その中の環状4号線の話です。実は4号線は全体の1/4ぐらいが未整備です。港区内でも白金台から高輪の区間は道路がありません。もともと高輪の第一京浜(国道15号線)までの計画でしたが、東京都はグランドプリンスホテル高輪の北側あたりから高架を伸ばし第一京浜とJR線の上を通して、港南口に接続させる構想を公開しています。

現在はJR線の東西を自動車で横断するルートが少ないので、車での行き来は不便でした。環状4号線を港南地区に延伸することで、白金や広尾といったおしゃれエリアと湾岸エリアを結ぶルートが出来て、首都高一号線にも接続し、レインボーブリッジを渡ってお台場方面へも便利になります。

グランドプリンスホテル高輪付近の環状4号線予定地

グランドプリンスホテル高輪付近の環状4号線予定地

山手線新駅周辺を取り囲む「田町」駅から
「品川」駅周辺の住宅開発、オフィス開発を見てみましょう

ターミナルとして、オフィスエリア、そして住宅地として順調に発展する「品川」駅

まずは「品川」駅ですが、「品川」駅は駅の東側、港南エリアの開発がめざましいものがあります。

品川港南エリア

品川港南エリア

旧国鉄用地を再開発した品川グランドコモンズ地区

「品川」駅に面する直ぐ東側のエリアで、元は旧国鉄用地です。各ビルによって開発主体が異なっています。

所在地 港区港南2丁目・品川区北品川1丁目
敷地面積 52,766.43m2
竣工 平成15年3月末
就業人口 約16,700人(想定)
居住人口 約1,700人(想定)

品川グランドコモンズ(全景)

品川グランドコモンズ(全景)

縦長の敷地内に数多くのオフィスビル、マンションが建ち並びます。 品川イーストワンタワー(大東建託本社、ストリングスホテル東京インターコンチネンタル)、太陽生命品川ビル(太陽生命、東京窯業本社など)、品川グランドセントラルタワー(日本マイクロソフト本社、NTTソフトウエア本社など)、三菱重工ビル(三菱重工本社)、キヤノンSタワー(キヤノンマーケティング本社)、ストーリア品川(賃貸マンション)があります。 そして分譲マンションでは、地上43階建て、総戸数650戸の「品川V-TOWER」が分譲されました。

3棟のオフィスビルが連なる品川インターシティ

品川グランドヒルズと隣あわせに位置する品川インターシティ。こちらも元は旧国鉄用地です。興和不動産・住友生命・大林組が手がけた開発で、平成10年に完成しました。

敷地面積 35,564m2
建築面積 20,640m2
延床面積 337,119.63m2
  A棟 B棟 C棟
建築面積 58,265m2 89,946m2 89,573m2
階数 地上32階地下2階 地上31階地下3階 地上31階地下3階
用途 オフィス オフィス オフィス
テナント   大林組本社 NECキャピタル
ソリューション本社

品川インターシティ(全景)

品川インターシティ(全景)

都の施設上空を利用した民活プロジェクト「品川シーズンテラス」

東京都下水局の芝浦水再生センターの地上部分を活用し、省エネルギーをテーマに光・風・水・緑を効果的に取り込んだオフィスビルを建設する民活プロジェクトです。

所在地 東京都港区港南一丁目2番6(地番)
用途 事務所、店舗、集会場、駐車場等
敷地 49,547.86m2
延床 205,785.83m2(下水道施設を含む)
階数 地下1階、地上32階
構造 鉄骨造・一部鉄筋コンクリート造、免震構造
事業主 NTT都市開発 大成建設 ヒューリック 東京都市開発 東京都下水道局
竣工 平成27年2月末(予定)

建設が進む「品川シーズンテラス」

建設が進む「品川シーズンテラス」

「品川」駅周辺の総戸数最大2,000戸を超える大規模タワーマンション群

まず、海側の港南エリアには総戸数300戸を超える大規模タワーマンションがたくさんあります。最大では総戸数2,000戸を超えています。主に平成14~17年頃に盛んに分譲されました。

  • ワールドシティタワーズ(住友不動産 総戸数2,090戸 地上42階地下2階)
  • シティタワー品川(住友不動産 総戸数828戸 地上43階地下1階※東京都を地主とする定期借地権マンション)
  • ベイクレストタワー(ゴールドクレスト 総戸数594戸 地上40階地下1階)
  • コスモポリス品川(リクルートコスモス 総戸数590戸 地上40階地下2階)
  • トーキョー・シーサウスブランファーレ(鹿島建設 総戸数373戸 地上36階地下1階)
  • パークタワー品川ベイワード(三井不動産、室町クリエイト 総戸数325戸 地上32階地下2階)
  • また高輪口側では規模の大きなマンションは少ないですが、現在建築中のタワーマンションがあります。品川タワーレジデンス(京阪電気鉄道、京阪電鉄不動産 総戸数125戸 地上25階)が平成27年2月に完成する予定です。

第一京浜沿いに品川駅徒歩6分の好立地「品川タワーレジデンス」

第一京浜沿いに品川駅徒歩6分の好立地「品川タワーレジデンス」

「田町」駅東側も新駅と連動して、再び脚光を浴びる

「田町」駅の東口、住所で言えば港区芝浦になります・・・と、言っても地元の方以外はあまり詳しく知る人は少ないでしょう。
芝浦が注目を浴びたのは約20年前の「ジュリアナ東京」と約10年前の「芝浦アイランド」でタワーマンションが販売された時ぐらいかもしれません。しかし「田町」駅東口では山手線新駅開発に先行して再開発が進行中。10年後にはメジャーなリアに変身している可能性もあります。

田町芝浦エリア

田町芝浦エリア

芝浦地区の島 芝浦アイランド

平成17年(2005年)から19年(2007年)に開発が進んだ港区芝浦4丁目の開発です。東京都交通局(都電工場・バス工場)跡地や新三井製糖の工場跡地、都営アパートの再開発です。UR都市機構や東京都、民間のデベロッパーが参加した大規模な都市開発となりました。街区ごとに大規模マンションが建築されています。

A1街区
UR都市機構が建設した地上48階建て、総戸数871戸の高級賃貸マンション「エアタワー」

A2街区
三井不動産、三菱商事、オリックスリアルエステート、住友商事、新日鉄都市開発、伊藤忠都市開発が分譲した地上49階地下1階の分譲タワーマンション「芝浦アイランドグローヴタワー」

A3街区
総戸数1,028戸 地上48階の賃貸マンションの「ブルームタワー」。土地所有者はUR都市機構、民間供給支援型賃貸住宅制度により三井不動産レジデンシャルが定期借地権を借地期間70年で取得して賃貸住宅を運営しています。

南地区
三井不動産、三菱商事、オリックスリアルエステート、住友商事、新日鉄都市開発、伊藤忠都市開発が分譲した総戸数1,095戸 地上48階地下1階の分譲タワーマンション「芝浦アイランドケープタワー」が特徴的なフォルムで建築されました。

トライスターフォルムが特徴的な「芝浦アイランドケープタワー」

トライスターフォルムが特徴的な「芝浦アイランドケープタワー」

「田町」駅東口北地区土地区画整理事業

東京ガスの研究所跡地を中心に、UR都市機構が中心になって港区芝浦1丁目及び3丁目で施行面積約7.7haを開発しています。ここでは港区が運営する公共施設を中心に建設されます。注目されるのはブランド産院として有名な「愛育会病院」が病院を新設することです。

芝浦一丁目ヤナセ本社地区開発

自動車輸入で有名なヤナセが倉庫や整備工場がある本社一帯を整備する事業です。高層化によって生まれた敷地は売却され分譲マンションになります。 GLOBAL FRONT TOWERは三井不動産レジデンシャル、日本土地建物、伊藤忠商事、伊藤忠都市開発、清水建設が分譲する883戸地上34階の分譲タワーマンションで平成28年1月に完成する予定です。

ヤナセ本社開発地区に建築中の「GLOBAL FRONT TOWER」

ヤナセ本社開発地区に建築中の「GLOBAL FRONT TOWER」

ほかにも芝浦エリアには単独開発のタワーマンションも、いくつかあります。
キャピタルマークタワー(東急急不動産、安田不動産、三菱地所、昭栄、サンケイビル 総戸数869戸 地上47階地下1階)、インプレストタワー芝浦エアレジデンス(双日、双日新都市開発 総戸数114戸 地上25階)、東京ベイシティタワー(住友不動産 総戸数171戸 地上30階地下1階)が建築されています。

建築中の「東京ベイシティタワー」

建築中の「東京ベイシティタワー」

40年ぶりの山手線新駅。都心居住のエリア選びに新しい選択肢ができる

今回の新駅と駅前の開発は、これまでのシリーズでご紹介してきた再開発のなかでも、かなり特殊な事案です。車両基地という一般の人が足を踏み入れることのないエアポケットのような土地に、同じ山手線沿線で言えば恵比寿や秋葉原を超える規模の開発が、5年ほどで一気に出来上がるのです。

ここ4~5年、湾岸エリアの分譲マンションといえば中央区の晴海・勝どきエリアや江東区の豊洲・東雲・有明エリアでの販売が多く、今現在も多くの物件が販売中です。山手線新駅の周辺はそれに比べると少ないので目立ちませんが、もともと不動産業界で「湾岸エリア」という言葉が使われだしたのは、今回も取り上げた芝浦や港南での分譲マンション販売についてでした。

このエリアで住宅選びを真剣に考えるのなら、開発計画の情報、マンション自体の情報に敏感になって、情報収集を心がける必要があるでしょう。

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