上棟式
じょうとうしき
上棟式とは、建物の棟木を上げるときに行う儀式です。建前(たてまえ)とも、棟上げ(むねあげ)ともいいます。
上棟式は、無事に棟が上がったことを祝い、感謝するものです。工事関係者が一堂に会し、今後の工事の安全と建物が無事に完成することを祈念します。施主が職人をもてなす意味合いもあり、施主から工事関係者にご祝儀などが渡されます。
上棟式は
棟梁が取り仕切るのが一般的です。施主は、儀式に必要な塩、酒、米を用意します。式は、棟木に幣束(へいそく)を立てて破魔矢を飾り、建物の四隅に酒・塩・米をまいてお清めをします。式の後には宴席を設けて、お酒や料理が振る舞われます。
上棟式にかける費用は地域によってかなり異なります。上棟式を行わないケースもありますが、上棟式をとり行うことで、施主と工事関係者が「家」への思いを共有するよい機会になるようです。
棟梁
棟梁とは、一般的には大工の親方を指します。かつては、木造建築は棟梁を中心とした職人集団によって建てられ、棟梁は建物の設計から資材の調達、施工スケジュール管理、職人の監督まで、建築現場をトータルにマネジメントする最高責任者でした。
現在では、建築物の規模にもよりますが、施工全般のマネジメントはハウスメーカーや工務店が、設計は設計担当者または設計事務所など資格をもった専門家が行います。
かつて大工の仕事は、材木にカンナをかけることから始まり、材木の癖や気候風土などを考慮して調整するという、技術と勘に負うものでした。今日では、施工過程が細分化・専門化していますが、それでもなお、大工の腕や棟梁の采配によって建築物の質は大きく左右されます。