グラスウール
ぐらすうーる
グラスウールとは、ガラスをミクロン単位の繊維にしたものです。
グラスウールとは、ガラス原料を溶解し、遠心力を使ってミクロン(1000分の1ミリ)単位の細い繊維にしたものです。グラスウールは、不燃性、断熱性、耐久性、吸音性、防振性などに優れ、住宅建材や工業用など幅広い用途に使われています。
住宅建材として、
断熱材や保温材、防音材などのほか、給排水管や冷温水管などのパイプや
ダクトなどの保温・保冷・吸音にも用いられます。グラスウールは
不燃材料で、火災によって燃えたり、有毒ガスが発生する心配もありません。そのため、壁や床、
屋根などに一定基準以上のグラスウールを使用した住宅について、国土交通省は「
準耐火構造」「
防火構造」「準
防火構造」として告示しています。
また、ガラス繊維のため、腐ったり虫が食ったりせず、軽くて施工しやすいのも特徴です。
結露防止効果も高く、省エネ対策として多用されている建材です。
結露
結露とは、建物の室内と室外の温度差によって、窓ガラスや窓枠、壁などに水滴がつくことです。気密性の高い住宅で冬場に発生することが多く、放置しておくとカビやダニ、汚れの原因となり、長期にわたると建材の腐食の原因ともなります。結露は窓やドアなど目に見えるところだけでなく、収納扉の裏側や床下、天井裏などに発生することもあります。
結露対策の基本は、室内外の温度差を防ぐことと、湿度を抑えることです。断熱材や複層ガラスなどを採用した高断熱の家屋は結露に有効です。また、換気や除湿も効果があります。ただし、室温が下がったり、乾燥した空気はのどや肌に好ましくないなどの問題もあります。結露対策として結露防止スプレーやシートなどの商品も販売されています。それでも発生してしまった結露は、早めに拭き取るなどの対処が必要です。
準耐火構造
準耐火構造とは、建物内外の通常の火災に対して、構造体が時間をかけて燃焼することで、想定時間(45~60分)中に建物が倒壊しない構造です。防耐火性能は、その基準の厳しさの順に、耐火建築物、準耐火建築物、防火構造として規定されています。耐力壁・柱・床・梁などの主要な構造部分および軒裏は45分間、屋根や階段などは30分間が想定されています。屋外に火を出さないために、燃焼のおそれのある部分などには厳しい規制があります。
木造住宅では、石膏ボードなどで被覆する方法や、木材の表面が燃えても構造耐力上支障のない「燃えしろ設計」にする方法もあります。
木造3階建てや準防火地域で要求される構造です。
ダクト
ダクトとは気体を送る管で、建物内の空調設備や換気設備に設置されます。ダクトには、四角い形状の角ダクトと円形の丸ダクトなどがあり、まっすぐなものや曲がったもの、それらの組み合わせなどがあり、用途に応じて使い分けます。ダクト設置工事は管工事に分類され、設計図・施工図に基づいて製作されたダクトを現場で組み合わせて接続します。
常に正常に空調や換気が機能するために、ダクトの安定した品質は重要です。必要な風量の確保に加え、接続部分の錆などによる腐食や雨水の浸入防止、地震による管のたわみなどの防止のほか、音漏れ防止のコーティングが施されているかなど、建物が建った後は見えない部分なので、ハウスメーカーなどに品質確認をしたいものです。
防火構造
防火構造とは、建物の周囲で発生する通常の火災による延焼を抑制する構造です。防耐火性能は、その基準の厳しさの順に、耐火建築物、準耐火建築物、防火構造として規定されています。防火構造は準耐火建築物とは異なり、建物内で発生する火災は考慮されていません。
防火構造は、準防火地域内の木造建築物に要求される構造です。具体的には、建物の外壁、軒裏、開口部に防火対策を施し、火炎におかされても30分以上耐えられるようにすることです。耐力壁である外壁は、耐火構造または準耐火構造であることと定められています。または、鉄鋼モルタルや石膏ボードを張ったり、土蔵造、土蔵真壁造などにし、延焼によっても30分間は倒壊その他の損傷が生じない性能が必要です。耐力壁以外の外壁や軒裏は、準耐火構造または土蔵造または防火被覆が設けられた構造にする必要があります。
断熱材
断熱材とは、熱の伝達を抑えるためのもので、外気温の変化から建物を守るために使用されます。
断熱材は、建物の外側を覆ったり(外断熱)、壁の中や柱と柱の間に充填したり(内断熱)することで、建物の内側と外側との熱の出入りを抑えます。
建材として用いられる断熱材は、繊維系断熱材や発泡系断熱材があります。木造住宅の内断熱工法では、繊維系のグラスウールやロックウールなどがよく使用されます。これらは低コストで耐熱性、吸音性に優れています。また、コストは高くなりますが、セルロースファイバーやインシュレーションボードなどもあり、調湿性も有します。外断熱工法では、発泡系のポリスチレンフォームやビーズ法ポリスチレン(EPS)など難燃剤を含んだものが用いられます。また、現場で発泡して施工する硬質ウレタンフォーム(フロンガスなどで発泡させたウレタン樹脂)は、フロンガスの使用禁止で使用されなくなっていましたが、ノンフロンの開発で再度見直されています。
屋根
屋根とは、風雨や日射から建物を守るために、建築物を覆うように設けられた構造物です。気候や風土によって特徴があり、形状や屋根材の種類もさまざまです。
屋根の形状および屋根材を決めるうえで、基本として求められるのが、耐震性、防水性、防火性、耐久性、断熱性などです。特に木造住宅の場合には、屋根材の重量によって、耐震性を確保するために構造上、壁の量を増やす必要などもあります。また、素材によって雨漏りを起こさないための屋根の勾配も規定されます。
屋根の形状には、切妻(きりづま)、寄棟(よせむね)、陸屋根(りくやね)、片流れ(かたながれ)、入母屋(いりもや)、方形(ほうぎょう)、鋸屋根(のこぎりやね)、バタフライなどがあります。
屋根材には、瓦などの粘土系、セメントなどを加工した化粧スレート、石を板状にした天然スレート、金属系のガルバリウム鋼板、銅板などがあります。
不燃材料
不燃材料とは、不燃性能について国土交通大臣が認定しているものです。建築基準法では火災に備えて防火材料の規定を定めています。防火材料は、「不燃材料」「準不燃材料」「難燃材料」の3つのグレードがあります。そのうち「不燃材料」は、通常の火災によって、加熱が始まってから20分以上は燃焼しないこと、内部仕上げは、避難にあたって有害なガスや煙を発生しないことが要件となっています。
不燃材料の認定には、不燃性試験または発熱性試験に合格する必要があります。
不燃材料には、コンクリート、れんが、瓦、陶磁器製タイル、繊維強化セメント板、厚さ3mm以上のガラス繊維混入セメント板、厚さ5mm以上の繊維混入ケイ酸カルシウム板、鉄鋼、アルミニウム、金属板、ガラス、モルタル、漆喰(しっくい)、石、厚さ12mm以上の石膏ボード、ロックウール、グラスウール板が挙げられます。
防火地域や準防火地域、建築物の規模や使用目的によって、屋根や外壁などに不燃材料の使用が義務付けられています。