戸袋
とぶくろ
戸袋とは、雨戸などを開けたときに収納するスペースです。
戸袋とは、
雨戸を開けたときに、戸を収納しておくための袋状の造作物です。
引き戸の端に設けられ、
雨戸を開けると、
雨戸は外側からも内側からも見えなくなります。
戸袋は、かつての和風建築では一般的に見られましたが、最近では
雨戸の代わりにシャッターを設けることが多く、あまり見られなくなりました。
一方、室内において、
引き戸を引き込む収納部分も戸袋といいます。
室内扉は、建築形式の洋風化にともなってドアの採用が主流になっていましたが、最近は、限られた空間を有効利用する上で、
引き戸が見直されています。最近のものでは、
引き戸の開け閉めがしやすく、指を挟まないように、出し入れ部分に切り込みを入れるなど、戸袋にも工夫が施されています。
引き戸
引き戸とは、レール上を往復して開閉する戸のことです。
溝やレールに沿って左右に動かすことで、戸を開閉させます。引き戸には、片方だけに引く「片引き戸」、両方に引き分ける「両引き戸」、壁に引き込む「引き込み戸」、2本以上のレール上を左右に移動させて開閉できる「引き違い戸」などがあります。
引き戸の代表的な物は障子や襖で、和風建築では玄関や窓、雨戸、室内扉、収納扉などに採用されてきました。ドアに比べて、扉の前後にスペースが必要ないのが利点ですが、気密性や遮音性、独立性などの点から室内扉はドアが主流となっていました。しかし最近では、遮音性・気密性の優れた引き戸も登場し、省スペース性や開閉しやすいバリアフリー性などから、マンションなどでも引き戸を積極的に採用する例も増えています。
雨戸
雨戸とは、窓の外側に取り付けられて、風雨から窓を守る建具です。防犯や防火の役割もあります。
かつての日本家屋では、朝に雨戸を開け、夜には雨戸を閉めるという習慣がありました。開けたときには、雨戸は戸袋に収納されます。台風などのときにも雨戸を閉めて、風雨の衝撃から窓を守ります。また、雨戸は丈夫で内側からしか解錠できないため、防犯効果もあります。
雨戸の素材には木製と金属製がありますが、近年では金属製が主流です。
最近では、雨戸に代わってシャッターが用いられるようになっています。また、窓ガラスの強度が向上したことから、雨戸をつけないケースや、防犯上必要な箇所に格子のみをつけるケースもあります。
室内扉
室内扉とは、居室と廊下やリビング、トイレ、洗面、浴室など、室内の出入口に用いる扉です。空間を仕切るもので、用途や大きさに応じてさまざまな種類があります。
室内扉は開閉方法によって、開き戸、折れ戸、引き戸があります。
開き戸は洋室によく用いられる扉で、1枚扉の片開き戸、2枚扉の両開き戸、大小2枚の親子扉があります。開き戸は開閉部分のスペースが必要で、生活動線や使い勝手によって、幅やサイズ、内開き、外開きを検討する必要があります。
折れ戸は、丁番などで連結された扉を折りたたむことで開閉する扉です。開閉のためのスペースが少なくてすむので、浴室やトイレなどの水回りやクローゼットの扉などによく用いられます。
引き戸は、レールの上を往復させて開閉する扉で、引き方によって、片引き戸、引き込み戸、引き分け戸、引き違い戸などがあり、引き違い戸は扉の枚数によって、2枚戸、3枚戸、4枚戸などがあります。引き戸は、かつてはもっぱら和室で用いられていましたが、開閉にスペースをとらず、車イスに対応するなど広い開口部を作りやすいなどの利点が見直され、種類も多彩になっています。