本下水
ほんげすい
本下水とは、下水道が整備されていることをいいます。
本下水とは、不動産広告によく記載されている表現で、下水道が整備されており、汚水処理において
浄化槽を設置する必要がないことを意味します。直接放流できるという意味です。
下水道の整備された地域は「下水道の処理区域」といいます。下水道の種類には、主に市街地に整備されている「公共下水道」と、地方自治体が管理する「流域下水道」、都市部の雨水を排水する終末処分場をもたない「都市下水路」の3種類があります。
本下水では、個別に
浄化槽を設置する必要がなく、手間も初期費用もかかりません。代わりに、月々(通常は水道料金と一緒に2ヶ月ごと)に下水道料金を支払います。下水道料金は、水道の使用量に応じて算出されます。
なお、汚水の汚れ具合がひどいほど、終末処理の負担が大きくなります。家庭から出す排水から、油汚れや洗剤などの量を減らす工夫が大切です。
浄化槽
浄化槽は、家庭から出るし尿や生活雑排水による河川汚染を防ぐために、公共下水道が整備されていない地域で設置されます。浄化槽は下水道の最終処理並みの浄化能力があり、コストも安いため、国や自治体では補助や融資を出すなど積極的に普及を推進しています。
浄化槽には、し尿処理だけ対応する「単独処理浄化槽」と、生活雑排水すべてを処理する「合併処理浄化槽」があります。2001年以降に設置する浄化槽は「合併処理浄化槽」のみとなり、認定業者による設置や定期点検が義務付けられています。住宅を新築する際には、建築確認申請書に「浄化槽設置届」を添付しなければなりません。また、リフォーム時には「浄化槽設置届」を保健所や役所に提出します。
合併処理浄化槽は、微生物のはたらきを利用したものです。一般的なものは、「嫌気ろ床接触ばっ気方式」と呼ばれるものです。まず、汚水中の浮遊物を分離・貯留し、空気が嫌いな嫌気性微生物が有機物を分解します。その後、「接触ばっ気槽」で空気を好む「好気性微生物」をはたらかせて有機物をさらに浄化させます。
なお、微生物が活発にはたらくために、浄化槽の正しい使い方に注意が必要です。