ポスト&ビーム工法
ぽすとあんどびーむこうほう
ポスト&ビーム工法とは、柱と梁を丸太でつくる工法です。
ポスト&ビーム工法とは、
柱(Post)と
梁(Beam)を丸太で組む工法で、
ログハウスなどで取り入れられます。P&B工法とも呼びます。
丸太を使用する軸組工法なので、
建築基準法では在来工法と同じ扱いで、総2階建てを建てることも、防火規制で
ログハウスが建てられない地域にも建築可能です。
ポスト&ビーム工法の特徴は、自然の丸太を手作業で加工してつくる点で、丸太の持つ風合いや存在感が味わえます。一方、
柱と
梁で支えて、必要に応じて
筋交いなどを設ける構造で、間取りやデザインの自由度が高く、壁面も塗り壁や板壁など自由に選ぶことができ、増改築にも対応しやすい建物が建てられます。
建築基準法
建築基準法とは、建物を建てるときの基本的な法律です。建築物の敷地・構造・設備・用途の最低基準を示し、用途地域や日影規制などエリアによって守るべき事項などが定められています。建物の利用者や近隣住民の生命・健康・財産を守ることを目的に、1950年に施行されました。基準の具体的な技術水準などは、建築基準施行令や施行規則などで詳細が規定されています。また、基準が実効性をもつように、着工前の建築確認や工事中の中間検査、完了検査、違法建築物の是正措置なども定められています。
建築基準法はこれまでに何度も改定を重ねています。1981年には現在の耐震基準が導入、2003年にはシックハウス対策の規定導入、2007年には耐震偽装事件を受けて建築確認審査の厳格化が図られました。中古マンションを選ぶ際には、いつ建てられたかによって基準が異なるため、築年は大まかな安全性を見るときの一つの目安にもなります。
ログハウス
ログハウスとは、丸太を用いた小屋または住宅のことです。歴史は古く、北欧や北米で発展してきました。丸太を積み重ねて壁を作る工法で、丸太組工法とも呼ばれます。
ログハウスの種類は大きく分けて「ハンドカット」と「マシンカット」があります。「ハンドカット」は、太い丸太をそのまま用い、大工さんがチェーンソーを使って仕上げていく手づくりのログハウスです。「マシンカット」は製材機械によって丸ログや角ログなどに加工したもので、丸太の野趣を残しながら品質の安定性や居住性を追求したものです。
以前は、ログハウスは建築基準法で2階建てが認められていなかったため、平屋またはロフト付きが一般的でした。しかし現在では、準耐火構造を取得したものもあり、木造2階建てと同等の建築も可能になっています。丸太の持つ魅力や建設コストを抑えやすい点などから、根強い人気があります。
筋交い
筋交いとは、建物の構造を補強するために、柱と柱の間に斜めに入れる部材のことです。木造軸組工法などで、耐震性や耐風性を強めるために用いられます。
木造軸組工法や鉄骨構造のように、柱と梁を基本として建物を支える構造では、柱と梁で形づくる長方形によって点と線で建物を支えます。しかし、この長方形の接合部分に強度が十分でなければ、地震や強風などによって横からの力(水平力)受けたときに、長方形がひし形に変形してしまいます。そこで長方形の対角線に筋交いを入れて、水平力に対抗して変形を防止します。鉄骨造では「ブレース」と呼びます。
筋交いは、圧縮する力と引っ張る力に耐える役割があります。長方形に対して斜めに1本だけ筋交いを入れる場合を「シングル」、2本交差させるものを「ダブル」または「たすきがけ」と呼びますが、「たすきがけ」のほうが強度はあります。ただし、柱や梁に十分な太さと強度がある場合や、2X4工法などで壁面全体で支える場合には、筋交いは不要になります。また、筋交いによる補強は、柱や梁と強固に固定されていることが重要です。
柱
柱とは、建物の軸組みで、土台に対して垂直に立てて、屋根や床の荷重を土台や基礎に伝えるものです。木造軸組工法やラーメン構造では、梁などとともに建物を支える最も重要な部材です。
柱の太さは、柱の位置や部屋の大きさ、支える重さによって決めます。木造2階建て以上の場合には、土台から軒まで通った継ぎ目のない「通し柱」が建物の四隅に使われます。「通し柱」は、上下階を構造的に一体化させて耐震性を高めるために重要なものです。各階ごとに梁や胴差しなどで区切られた柱を、「管柱(くだばしら)」といいます。「管柱」も各階の荷重を受ける構造体です。このほか、柱と柱の間に壁の補強のために入れる柱を「間柱(まばしら)」と呼びます。また、壁に取り付けた装飾用の柱を「付け柱」といいます。
梁
梁とは、建築物の骨組みのなかで、建物に対して水平方向に渡し、屋根や床など建物の上からの荷重を柱に伝えて建物を支える部材をいいます。柱と連結して支える梁を「大梁」、柱に直接つながっていない梁を「小梁」といいます。元来は、屋根の棟木(むなぎ)に対して直角に渡したものを梁と呼び、水平に渡したものは桁(けた)と呼んでいました。そのため、棟木と水平方向の建物の奥行きを梁方向、直角に交わる方向を桁方向といいます。また、屋根を支える梁を小屋梁(こやばり)、床を支える梁を床梁(ゆかばり)と呼びます。
木造建築では、梁には松や米松、杉などが使われます。また、「現し」といって、梁を露出させて意匠を施すものもあります。